N88-BASIC(86) VOICE命令
VOICE
- 機能
- FM音源の音色バンクを再定義する
- 書式
- VOICE 音色番号,整数型配列名
- 文例
- VOICE 5,A%
FM音源の音色を自由に設定するための命令です.
サウンド制御命令では, FM音源で最大82種類の音色を使用することができます.これらの音色は0〜81 の番号で管理されており,初期状態では内蔵音色のデータが各音色番号に割り当てられています. 82種類のうち, 0番のデフォルト音色以外はすべて,再定義することによって自分の好みの音色を割り当てることができます.
音色の再定義は,音色番号の音色パラメータ(音色のデータ)を別の音色パラメータに変えることによって行います.音番号と音色パラメータを合わせて音色バンクといいます.
〈音色番号〉には,音色を再定義したい音色番号(1〜81) を指定します.
〈整数型配列名〉には,新しく与える音色パラメータを格納した整数型配列変数の配列変数名を指定します.配列変数にはあらかじめ音色パラメータを指定しておかなければなりません.配列変数の各要素と音色パラメータとは,次のように対応しています(配列名は,仮にVOICE1%とします).
ここで, OPは各オペレータの番号を表し, 1〜4を指定します.
VOICE1%(0, 0) | フィードバック/アルゴリズム |
VOICE1%(0, 1) | オペレータマスク |
VOICE1%(0, 2) | LFO波形 |
VOICE1%(0, 3) | LFO SYNCディレイ |
VOICE1%(0, 4) | LFO速さ |
VOICE1%(0, 5) | LFOピッチ変調深さ(微調整) |
VOICE1%(0, 6) | LFO振幅変調深さ(微調整) |
VOICE1%(0, 7) | LFOピッチ変調深さ(粗調整) |
VOICE1%(0, 8) | 未使用 |
VOICE1%(0, 9) | 未使用 |
VOICE1%(OP, 0) | アタック係数 |
VOICE1%(OP, 1) | ディケイ係数 |
VOICE1%(OP, 2) | サスティン係数 |
VOICE1%(OP, 3) | リリース係数 |
VOICE1%(OP, 4) | サスティンレベル |
VOICE1%(OP, 5) | 出力レベル |
VOICE1%(OP, 6) | キーボードレイトスケーリング深さ |
VOICE1%(OP, 7) | マルチプル |
VOICE1%(OP, 8) | デチューンレイト |
VOICE1%(OP, 9) | LFO振幅変調深さ |
再定義された音色はPLAY ALLOC, CLEAR, VOICE INITが実行されるまで有効です.
注意
この命令やVOICE COPYで使用する配列は, 5×10の大きさをもち, OPTIONBASEが0のものでなくてはなりません.したがって,プログラムの初めに,
OPTION BASE 0 DIM VOICE1%(4,9)
のように宣言しておきます.
VOICEで配列を使用した後はERASEを実行しないでください.ERASEを行うとサウンド制御命令の動作は保証されなくなります.ERASEを行う場合は, PLAY ALLOC,VOICE INITなどを実行してからにしてください.
参照:PLAY, PLAY ALLOC, VOICE COPY, VOICE INIT
出典:N88-日本語BASIC(86)(Ver6.2) リファレンスマニュアル、日本電気株式会社、1991年発行