概要
Excel 5.0 のワークシートは、既定の状態では「行および列の番号 (以下、行列
番号) 」が各行の左側、各列の先頭に表示されます。本文書では、本来表示されて
いるはずの「行列番号」が表示されず、見えない状態を回避する方法をまとめて
います。
原因と対応
「行列番号」が見えない場合の原因について、主に次の二点が考えられます。
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「行列番号」を表示しない設定になっている
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設定されているフォントが正常に表示されていない
1. 「行列番号」を表示しない設定になっている
「行列番号」の文字だけでなく、「行列番号」が表示される領域まで表示されて
いない場合は、「行列番号」を表示しないように設定されています。
「行列番号」を表示する手順は次の通りです。
手順
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[ツール] - [オプション] コマンドを実行し、[表示] パネルを選択します。
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[ウィンドウ オプション] グループの [行列番号] チェックボックスをオン
(×がついている状態) にします。
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<OK> ボタンをクリックします。
2. 設定されているフォントが正常に表示されていない
Microsoft(R) Windows(TM) (以下 Windows) に標準で添付されている以外の、市販
のフォント (Wife フォント) が組み込まれている場合に発生することがある現象
です。また、ワードプロセッサなど、プログラムと共にフォントがセットアップさ
れる製品についても同様です。
Excel 5.0 で使われる「行列番号」のフォントは、そのブックに設定されている
「標準フォント」が表示されます。既定の「標準フォント」は「明朝」となって
おり、この「明朝」を画面に表示する際、Windows は組み込まれているフォント
から指定に最も近いものを選定します。ただし、選ばれたフォントよっては正常に
表示されないことがあります。
こういった場合に「行列番号」が見えない現象が発生します。
この場合の対応策は次の三点です。Excel 5.0 または Windows のどちらかの設定
を変更します。すべての設定を変更する必要はありません。
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「標準フォント」の設定を別のフォントに変更する (Excel 5.0 側の変更)
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Windows が選定するフォントの優先順位を変更する (Windows 側の変更)
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Windows 選定したフォントを任意のフォントに置き換える (Windows 側の変更)
2-1 「標準フォント」の設定を別のフォントに変更する
この現象は「明朝」など、フォントの選定に幅のある設定の場合に発生しま
す。そこで、「標準フォント」の設定を TrueType フォントに変更すること
によって、選定されるフォントを限定することができます。
「標準フォント」を変更する手順は次の通りです。
手順
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[書式] - [スタイル] コマンドを実行します。
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[スタイル名] が「標準」であることを確認し、<定義> ボタンをクリックします。
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[セル書式の設定] ダイアログボックスの [フォント] パネルを選択します。
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[フォント] リスト ボックスから TrueType フォント (例えば「MS 明朝」) を
選択し 、<OK> ボタンをクリックします。
また、今後新規に作成するブックの「標準フォント」は次の手順で設定できます。な
お、「テンプレート」を利用している場合は、テンプレートの設定が有効になりま
すので、ご注意ください。「テンプレート」についての詳細は「ユーザーズ ガイ
ド」 691 ページ「テンプレートの作成」を参照してください。
手順
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[ツール] - [オプション] コマンドを実行し、[全般] パネルを選択します。
-
[標準フォント] ドロップダウン リストボックスから目的のフォントを選択します。
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<OK> ボタンをクリックします。
2-2 Windows が選定するフォントの優先順位を変更する
Windows がフォントを選定する際に、いくつかの候補があった場合には WIFEMAN.INI
という Wife フォント管理の情報が登録されているファイルを参照し、そのリスト
の最後に登録されているフォントを優先的に選択します。記述されているフォント
の順序を入れ替えることにより、選択の優先順位を変更することができます。
WIFEMAN.INI の変更方法は次の通りです。なお、作業を行う際には必ず WIFEMAN.INI
のバックアップ ファイルを作成してください。
手順
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「メモ帳」を起動します。
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[ファイル] - [開く] コマンドで、Windows のディレクトリにある WIFEMAN.INI
を開きます。
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フォント ドライバを確認します。
[FontDrivers] と書かれた行の下に注目してください。Windows に標準でインス
トールされているフォント ドライバの記述があります。この名前は Widnows を
出荷しているメーカーによって異なります。まずこれを特定してください。以下
に主要 Windows の例を紹介します。
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マイクロソフト版 (DOS/V 用、NECPC-9801 用) --
JISフォントドライバー=C:\WINDOWS\SYSTEM\JISFONTR.FOD
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日本電気版 --
FontAvenueドライバ=A:\WINDOWS\SYSTEM\AVENUE.FOD
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富士通版 --
デバイスフォントドライバー=C:\WINDOWS\SYSTEM\JISROM.FOD
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東芝版 --
JISフォントドライバー=C:\WINDOWS\SYSTEM\JISFONTR.FOD
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3. で特定した行をそのセクションの最下行に移動させます。
「メモ帳」の切り取りと貼り付けの機能を使います。その行 1 行を選択し [編
集] - [切り取り] コマンドで 1 行まるごと切り取ります。次にそのセクショ
ンの一番下の行にカーソルを移動させ、[編集] - [貼り付け] コマンドで貼り
付けを行います。
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同様に [FontPackages] セクションも書き換えます。
このセクションには、[FontDrivers] セクションで設定されているフォント ドラ
イバがサポートするすべてのフォントがリストされています。しかし、この中で
変更が必要なのはどのメーカーの Windows であっても「標準明朝」と「標準ゴ
シック」で始まる 2 行です。以下に例を示します。
標準明朝 (all res)=JISSMR.FON,JISフォントドライバー
標準ゴシック (all res)=JISSGR.FON,JISフォントドライバー
この 2 行をまとめて [FontPackages] セクションの最後に移動します。
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[ファイル] - [上書き保存] コマンドを実行後、[ファイル] - [メモ帳の終了]
コマンドでファイルの保管とメモ帳の終了を行います。
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Windows 3.1 を再起動させて、問題が回避されたかどうか確認してください。
回避されない場合は次の項目を参照してください。
2-3 Windows 選定したフォントを任意のフォントに置き換える
Windows のメーカーなど、環境によっては WIFEMAN.INI に記述されているフォン
トの順序を入れ替えても優先順位が変わらないことがあります。そのような場合、
フォントの優先順位を変更するのではなく、選定されたフォントを指定したフォン
トに置き換えることによって、期待する結果を得ることができます。
フォントの置き換え方法は次の通りです。なお、作業を行う際には必ず WIN.INI
のバックアップ ファイルを作成してください。
手順
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「メモ帳」を起動します。
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[ファイル] - [開く] コマンドで、Windows のディレクトリにある WIN.INI を開
きます。
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[FontSubstitutes] と書かれた行の下に「明朝=MS 明朝」の記述を追加します。
「=」は半角、「MS」はそれぞれ全角、「MS」と「明朝」の間には半角のスペー
スがひとつ入ります。
例: [FontSubstitutes]
Helv=MS Sans Serif
Tms Rmn=MS Serif
Times=Times New Roman
Helvetica=Arial
明朝=MS 明朝 ※この部分を追加します
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[ファイル] - [上書き保存] コマンドを実行後、[ファイル] - [メモ帳の終了]
コマンドでファイルの保管とメモ帳の終了を行います。
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Windows 3.1 を再起動させて、問題が回避されたかどうか確認してください。