概要
本文書は、Lotus 社の Lotus 1-2-3 (以下 1-2-3、特にバージョンに関りがある場合にはバージョンを付加) から Excel 5.0 に移行されるお客様のための Q&A 集です。
Excel 5.0 のヘルプには多くの情報が記述されています。まず [?] - [製品サポート] コマンドを選択してください。この中には、Excel をお使い頂く上でのご注意や Q&A 集など、オフィシャル ユーザー サポートからの情報が登録されています。
ここではその中に重複するものもありますが、書き漏れているもや補足説明が必要なものを用意しました。新しい情報が入りしだい更新いたします。
Q&A
1-2-3 から Excel 5.0 への乗り換え
質問
Microsoft(R) Windows(R) (以下 Windows) の導入と共に、Microsoft(R) MS-DOS(R) (以下 MS-DOS) で使用していた 1-2-3 から Excel 5.0 に乗り換えました。Excel5.0 は 1-2-3 ユーザーの事を考慮していると聞きましたが、どのようなサポートがありますか。
回答
Excel 5.0 では以下のような機能で 1-2-3 から移行されるお客様をサポートしています。
オンライン ヘルプ
<F1> キーや [?] - [目次] コマンドでオンライン ヘルプの目次を呼び出し、キーワード「 1-2-3 」で検索すると次のような項目を見つけることができます。
Lotus 1-2-3 マクロを Excel で実行するには
Lotus 1-2-3 と Excel でファイルを共有するには
Lotus 1-2-3 互換機能を利用するには
Lotus 1-2-3 数式を計算するには
Lotus 1-2-3 関数や名前を入力するには
Lotus 1-2-3 と Excel の数値演算の優先順位
Lotus 1-2-3 の用語に対する Excel の用語
既存の Lotus 1-2-3 マクロを Microsoft Excel で実行させるための手引き
Lotus 1-2-3 ヘルプ
[?] - [Lotus 1-2-3] コマンドで [Lotus 1-2-3 ヘルプ] ダイアログ ボックスを表示します。ここでは 1-2-3 のコマンドに対する Excel 5.0 の操作を知ることだけでなく、デモンストレーションを行うこともできます。
1-2-3 方式の式の入力/ 1-2-3 方式の計算方法
[ツール] - [オプション] コマンドで、Excel 5.0 の各種オプションを設定できるダイアログ ボックスが表示されますが、この中に [移行] パネルがあります。これは1-2-3 からの移行を示し、過去の資産の利用のために、また慣れるまでの一時的な対応として 1-2-3 形式でのの入力や計算方法を行わせることができます。
1-2-3 データ ファイルのサポート
Excel 5.0 では、1-2-3 のファイルを開くことができます。また、Excel 5.0 のファイルを 1-2-3 のファイル形式で保存することも可能です。Excel 5.0 で読み込める1-2-3 のファイル形式は次のとおりです。
1-2-3 ファイル形式
---------------------------
WK1 と関連する FMT ファイル
WK3 と関連する FMT ファイル
WJ1
WJ2
WK3
WK3 + FM3
WK3 形式では、通常のワークシートとマルチ ワークシートの両方を読み書きすることができます。また、WJ1 形式で保存することはできません。
なお、Release 2.4J の WJ3 形式のファイルは、[上書き禁止] の状態で読み込むことは可能です。しかしながら充分な動作テストは行っておりませんので、サポート対象外となります。1-2-3 側で WJ2 形式に保管して、Excel 5.0 で読み込むことをお勧めします。
1-2-3 マクロのサポート
1-2-3 のマクロを Excel 5.0 のマクロに変換する機能はありませんが、1-2-3 R2.3J
で作成されたマクロを動作できるように設計されています。そのため、1-2-3 R2.3J以降で追加されたメニューコマンドを用いてマクロを作成したものについてはサポートしておりません。
印刷マクロについては、MS-DOS 環境と Windows 環境では概念が異なるため、1-2-3 R2.3J のメニューコマンドでもサポートしてない命令があります。そのため、印刷マクロについては Excel 5.0 で作成して 1-2-3 のマクロから分岐する方法をとることをお勧めします。
行列の数え方の違い
質問
関数を用いて計算式を設定したのですが、期待した結果になりません。
回答
例えば、VLOOKUP 関数を使う場合
1-2-3 @VLOOKUP(A1, B1..E10, 2)
Excel 5.0 =VLOOKUP(A1, B1:E10, 2)
1-2-3 は数を数えるときは、基本的に 0 から始まります。そのため上記の数式では、1-2-3 では B 列を 0 列目と数えて、範囲の 2 列目に当たる D 列の値を返します。
ところが、Excel5.0 は数を数えるときは 0 からではなく 1 から始まります。そのため、上記の数式では Excel 5.0 は B 列を 1 列目と数えて、範囲の 2 列目に当たる C 列の値を返します。
数式表示
質問
ワークシート全体を「値表示」にするか「数式表示」にするかを切り替えることはできますが、1-2-3 や Borland Quattro のように、特定の列だけを「数式表示」にできますか。
回答
Excel 5.0 では、特定の範囲のみ「数式表示」にすることはできません。このように、「 1-2-3 では、このメニューを選択することによって可能だが、Excel 5.0では可能なのだろうか。もし、可能ならどのようにメニューを選択すればよいだろうか。」という疑問が生じたときには、オンライン ヘルプを利用して確認することができます。
1-2-3 のオンライン ヘルプを利用する場合には、[?] - [Lotus1-2-3] コマンドを選択します。あとは、1-2-3 のメニューを選択すると、それに相当するExcel 5.0 のコマンドの説明、または対話形式のデモが表示されます。
罫線の扱い
質問
1-2-3 の罫線の種類は 8 種類と Excel 5.0 よりも豊富です。それぞれの線は Excel
5.0 に読み込むと、どのような線種に変換されますか。
回答
次のように変換されます。
1-2-3 Excel 5.0
-----------------------------------
実線 → 実線
二重線 → 二重線
太線 → 太線
細かい点線 → 細線 (ヘアライン)
粗い点線 → 点線
破線 → 破線
一点鎖線 → 破線
二点鎖線 → 破線
また、1-2-3 で設定した罫線は、Excel 5.0 に読み込んだ時に 下罫線と左罫線に変換されます。Excel 5.0 では 1-2-3 と異なり個々のセルに対して上下左右に罫線を設定することができるため、表の上端行の上罫線および右端列の右罫線が印刷されない問題が発生することがあります。
具体的には、セル範囲 A2:M20 までを印刷範囲に設定して印刷を行なった場合に、画面上では罫線が引かれているのに、2 行目の上罫線と M 列の右罫線が印刷されないということです。これは Excel5.0 では 1-2-3 で設定した罫線が下罫線か左罫線にしか変換されないために、2 行目の上に罫線が引かれているのではなく、1 行目の下に罫線が引かれ、M 列の右に罫線が引かれているのではなく、N 列の左に罫線が引かれているために印刷範囲外となり、2 行目の上罫線と M列の右罫線が印刷されないのです。その場合は、Excel 5.0 に読み込んでから、2 行目の上罫線と M 列の左罫線を引いてから印刷してください。
数式の入力
質問
1-2-3 では、数式を入力する場合、セル参照の場合は「+ (プラス) 」から、関数の場合は「@ (アットマーク) 」から入力していました。「= (イコール) 」から始まる Excel 5.0 の数式の入力方法には慣れていないので、入力するのに時間がかかります。また、同じ意味を持つ関数でも引数の持ちかたが違うものもあるようで困っています。
回答
[ツール] - [オプション] コマンド [移行] パネルを表示します。「シートオプション」の [式入力の変更] チェック ボックスをオンにして、1-2-3 で数式を入力する要領で関数や数式を入力してみて下さい。確定と同時に Excel 5.0 形式の数式に自動的に変換されます。引数の持ち方が異なったり、関数のスペルが違っても大丈夫です (例えば、平均を求める関数は AVERAGE 関数ですが、1-2-3 の要領で「@AVG (範囲) 」というように入力すると、「=AVERAGE (範囲) 」に置き変わります) 。
複写と貼り付け
質問
1-2-3 では、罫線複写のコマンドとセルに入力されたデータの複写のコマンドは分けられていました。Excel 5.0 で罫線を含めずに複写するには、どのようにすればよいですか。
回答
貼り付けを行なう時に、[編集] - [形式を選択して貼り付け] コマンドを実行し、[数式] オプションをオンにして <OK> ボタンをクリックします。こうすることで、数式や数字、文字列などのデータ以外の書式はコピーされなくなります。
罫線の複写と移動
質問
罫線のみ複写あるいは移動を行ないたいのですが、どのように操作すればよいですか。
回答
罫線を複写する手順は次のとおりです。
-
複写元を選択し、[編集] - [コピー] コマンドを実行します。
-
複写先のセルを選択し、[編集] - [形式を選択して貼り付け] コマンドを実行します。
-
[貼り付け] グループの [書式] オプションをオンにして <OK> ボタンをクリックします。
ただし、このとき複写の対象になるのは罫線だけではなく、セルに設定された網掛けなどのパターンや表示形式なども含みます。罫線複写コマンドに厳密に対応した機能はありません。
また、1-2-3 の罫線移動に対応するコマンドは Excel 5.0 にはありません。そのためいったん罫線を複写する手順で全ての内容を複写してから、複写元を再び選択して [編集] - [クリア] - [書式] コマンドを実行して罫線などの書式を消去します。
WJ2 ファイルをオープンしたら文字が青く表示される
質問
1-2-3 形式のファイルを Excel 5.0 でオープンしたところ、文字色が青になって表示されるセルがありますが、これはどういうことですか。
回答
1-2-3 では、ワークシートに「保護」をかけた場合、「ヒホゴ」のセルの文字色を変えることによって、「ホゴ」指定のセルと一目で区別できるようになっています。そのため、「ヒホゴ゛」指定のセルが存在する 1-2-3 のファイルを Excel 5.0でオープンすると、1-2-3 の色の属性を受け継いで、[書式] - [セル] コマンドの [保護] パネル [ロック] チェック ボックスがオンになっているセルの文字色が青になり、[ロック] チェック ボックスがオフのセルの文字色は黒になります。この配色は、同じファイルを Windows 版の 1-2-3 でオープンした時と同じ配色です。
なお、同じファイルを MS-DOS 版の 1-2-3 でオープンした場合、デフォルトの配色ではワークシートの色は黒、「ホゴ」もしくは未設定のセルに入力された文字の色は黄色、「ヒホゴ」のセルに入力されている文字の色は白になります。
また、青色で表示された文字色は [書式] - [セル] コマンド [フォント] パネルの[文字の色] で希望の色に変更できます。
注意
Excel 5.0 で作成したファイルでは、チェック ボックスがオンかどうかで文字色が変更されることはありません。あくまで、1-2-3 の色の属性を受け継いだ結果の色の区別です。文字色の設定を変更しても、[書式] - [セル] コマンド [保護] パネルの[ロック] チェック ボックスの設定が連動して変化することはありません。
1-2-3 で作成したファイルを読み込むとエラーが出る
質問
1-2-3 で作成したファイルを Excel 5.0 で読み込むと、「レコードを読むことができません。(セル:××) 引き続きエラーを表示しますか?」というエラーメッセージが表示されます。そのまま、読み込もうとすると、「ファイルエラーの合計:×」というエラーメッセージが表示されました。このファイルは、Excel 5.0 では使えないということですか。
回答
1-2-3 で作成したファイルに Excel 5.0 でサポートされていない関数が用いられているようです。その場合、Excel 5.0 はどこのセルに入力された数式に Excel 5.0 がサポートしていない関数が用いられているかを教えてくれます。そのままファイルをオープンすると変換できなかった関数が用いられたセルの合計を知らせてくれます。また、オープンされたファイルには変換できなかったセルに、「数式を変換できませんでした」というメモがつきます。
この場合、Excel 5.0 の関数に 置き換えることができなかったというだけですので、オープンしてお使いいただいても問題はありません。オープンしたファイルは上書き禁止になっていますので、保管するときには、[ファイル] - [新規保管]コマンドで保管する必要があります。
以下に Excel 5.0 が サポートしていない関数をリストします。
統計
123R2.xJ:無し
123/WJ,123R3J: 無し
データベース統計
123R2.xJ: 無し
123/WJ,123R3J: @DQUERY
日付
123R2.xJ: @DATEDIF
123/WJ,123R3J: 無し
文字列
123R2.xJ: @DECIMAL,@HEX
123/WJ,123R3J: 無し
算術
123R2.xJ: 無し
123/WJ,123R3J: 無し
財務
123R2.xJ: 無し
123/WJ,123R3J: @SPI,@FV2,@PMT2,@PMT1,@PV2,@TERM2
論理
123R2.xJ: 無し
123/WJ,123R3J: @ISAFF,@ISAPP
特殊
123R2.xJ: 無し
123/WJ,123R3J: @COORD,@SHEETS,@INFO,@SOLVER(123/WJ のみ)
Excel 5.0 では 1-2-3 とのデータ互換のために、DATEDIF 関数が追加されています。
メモリ不足というエラーが出され、1-2-3 のデータが読み込めない
質問
1-2-3 で作成したデータを Excel 5.0 で読み込むと、メモリ不足というエラーが出されデータが読み込めないことがあります。どう対処したらよいですか。
回答
これは MS-DOS 版 1-2-3 のデータ ファイルのみに起こる現象のようです。MS-DOS版 1-2-3 のデータ ファイルには、一度設定した罫線の情報などが削除しても残っているようです。必要なデータ範囲以外に過去に罫線などをつけたあと削除といったことを行ってしまうと、そのセルにも情報が残りその情報によって Excel
5.0 で読み込みを行ったときに障害が起きるようです。次の方法で、これら余計な情報を消し再度読み込んでみてください。
-
1-2-3 側でワークシートのデータ範囲以外の部分のワークシート エリアを、行・列それぞれを選択し行列削除を行います。
-
必要なデータ セル部分のみになったシートを一度保管してから Excel 5.0 でオープンしてください。
「計算方式の変更」オプションとマクロ シートの再計算
質問
[ツール] - [オプション] コマンドの [移行] パネルにある [計算方式の変更]チェックボックスの ON/OFF は、マクロシートの再計算を可能にする機能をもっているのでしょうか。
回答
マクロシートは原則として、マクロ記述用シートであるため Excel 5.0 は再計算の対象にはしていませんが、[計算方式の変更] チェックボックスを ON 又は OFF にすることによって、マクロシートの値も参照されます。これは、[計算方式の変更] のスイッチを変えると、今までとは異なる計算方法を行わなければならないため、Excel 5.0 はシート上のすべての値を計算し直して、それに備えます。また、[ツール] - [オプション] コマンド の [計算方法] パネルにある <表示桁数で計算>、<1904 年から計算> の ON/OFF が同じ動きをします。この 3 つは、マクロシートの値を参照する機能をもっています。つまり、このオプションのどれかを変更すると、マクロシートも含めてすべての値が再計算されます。