昭和62年9月7日
日本アイ・ビー・エム㈱
日本アイ・ビー・エム株式会社(椎名武雄社長)は、7日、IBMパーソナルシステム/55ファミリーにラップトップ型をはじめとする新モデルを加え、同ファミリーの製品ラインを一段と拡充・強化したと発表しました。
現代のオフィスでは、様々なオフィス機器の設置面積の省スペース化が望まれています。また、ますます多様化・高度化するビジネス・アプリケーションにおいて、ワークステーションは、1人1台のパーソナル・ユースのニーズがとみに高まってきています。今回の新製品は、こうした状況下でこれからのオフィスに必要となるOA環境とオフィス空間を提供するものです。
今回の主な新製品は、省スペース設計で通信機能を充実させたラップトップ型の「IBMパーソナルシステム/55 モデル5535」、現行のモデル5540よりも設置面積を25%削減してコンパクト化をはかり、かつ内部処理速度を約50%向上させた「モデル5540-M/P」、さらにオフィス・コンピューター IBMシステム/36ファミリーと同/38ファミリーに接続し、オンライン・ワークステーションとしても使えるようにしたモデル5530の新モデル「モデル5530-G1」です。
これらの新製品は、スタンド・アローン(単体)として利用することはもちろん、様々なIBMホスト・システムと接続しても利用することができます。したがって、様々な業務処理のネットワーク化が進展する中で、業務の拡がり、多様化に柔軟に対応できるパーソナルシステムとして活用することができます。
さらに、今回の新モデルは、いずれも3.5インチ・ディスケット(フロッピー・ディスク)の駆動機構を採用したので、システムの設置面積の削減を実現し、より広い作業空間を確保できるようになります。
もちろん、これらの新モデルは、現行のパーソナルシステム/55ファミリーの一貫した設計思想のもとに開発されています。これによってユーザーは、同ファミリーのより多くのモデルから最適のシステムを選べるようになりました。
また、当社ではこれらと同時に「モデル5535」、「モデル5540-M/P」専用の増設用内部メモリー・キットの「1MB記憶キットII」と、5.25インチ・ディスケットの駆動機構を装備したパーソナルシステム/55ファミリーの現行モデル5540/5550/5560に接続して、データ・ディスケットの互換性を確保する「3.5型ディスケット装置IIキット」、モデル5570用のコンパクトなキーボード「5576-002型鍵盤」、さらに同ファミリーの適用分野をさらに拡大する一連のソフトウェアもあわせて発表しました。
今回の新製品は、当社大和研究所を中心に米国IBMの研究所との連携で開発されました。
●本日発表の主な製品の概要は次の通りです。
可搬性を考慮し、310mm(幅)×350mm(奥行き)×100mm(高さ)のコンパクトな筐体で、高輝度・高画質のバックライト付き白黒液晶表示パネル(表示パネルの裏面より光を当て、ハイコントラストで見やすく美しい液晶画面を実現)とシステム装置(本体)、キーボードを一体化したラップトップ型16×16ドット表示のモノクローム・システムです。
汎用16ビット・マイクロ・プロセッサー(I80286 10MHz)を搭載し、主記憶容量は標準で1メガ・バイト、最大で2メガ・バイトまで拡張できます。3.5インチ・ディスケット駆動機構1基(2HD-1.44メガ・バイト対応)と20メガ・バイトのハードディスクを内蔵しています。
スタンド・アローンとしてだけでなく、オンライン端末としても容易に利用できるように、通信機能のためのハード機構(オプション)を内蔵することができます。
日本語DOS バージョンK3.3のもとで文書処理、表計算、オンライン機能などのビジネス・アプリケーションを容易に使いこなすことができ、収納スペースをあまり意識せずにオフィスでも家庭でも有効に利用できます。
システム装置は370mm(幅)×359mm(奥行き)×86mm(高さ)の筐体で、現行のモデル5540よりも高速の汎用16ビット汎用マイクロ・プロセッサー(I80386 10MHz)を搭載した24×24ドット表示の卓上型システムです。
主記憶容量は標準で1メガ・バイト、最大で11メガ・バイトまで拡張でき、3.5インチ・ディスケット駆動機構(2HD-1.44メガ・バイト対応)を2基内蔵したM02/P02と、20メガ・バイトのハードディスクを内蔵したM08/P08があります(Mはモノクローム・モデル、Pはカラー・モデルです)。
日本語DOS バージョンK3.3のもとで文書処理、表計算、オンライン機能など、ビジネス・アプリケーションに必須の各機能を容易に使いこなすことができるとともに、IBMオペレーティング・システム/2 バージョンJ1.0を用いて、複数の業務を一貫処理することもできます。
3.5インチ・ディスケット駆動機構を2基内蔵したG12と、20メガ・バイトのハードディスクを内蔵したG18の2機種があります。現行のモデル5530と同様に16ビット・マイクロ・プロセッサー(I8086 8MHz)を搭載した24×24ドット表示の卓上型システムです。
また『日本語5250パーソナル・コンピューター バージョン5.0 3.5型用』(新製品)というソフトウェアを使うことによって、システム/36ファミリーと同/38ファミリーへの接続ができるようになりました。
I80286MPU (10MHz) 搭載の「モデル5535」「モデル5540-M/P」専用の増設用内部メモリー・キットです。「モデル5535」には1個、「モデル5540-M/P」には2個、直接システム・ボード上に設置できます。「モデル5540」でそれ以上の容量を必要とする場合には、システム装置本体内のオプション・スロットを使用してメイン・メモリーの拡張を行います。
5.25インチ・ディスケット駆動機構を持つモデル5540(M/Pを除く)/5550/5560のデータ・ファイルとして3.5インチ・ディスケットを取り扱えるようにする別置型ディスケット駆動機構(2HD-1.44メガ・バイト対応)で、5.25インチと3.5インチという異なるメディア間で、相互にデータ交換を行えるようにするものです。これによりパーソナルシステム/55ファミリーの最下位モデル5530から最上位モデル5570までの、全モデルのデータ・ファイルとして3.5インチ・ディスケットが利用できるようになります。
モデル5570専用の鍵盤(キーボード)で、パーソナルシステム/2(TM)のキーボードのキー配列をベースに開発され、現行のものに比べてよりコンパクトになっています。
製品名 | システム価格 | 出荷予定時期 |
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モデル5535 | ¥595,000より | 昭和62年10月12日 |
モデル5540-M/P | ¥690,000より | 昭和62年10月12日 |
モデル5530-G1 | ¥495,000より | 昭和62年10月12日 |