昭和62年1月27日
日本アイ・ビー・エム㈱
日本アイ・ビー・エム株式会社(椎名武雄社長)は、27日、1990年代に向けての拡張性に富んだ汎用大型のIBM3090シリーズに2つの新モデルと現行モデルの機能を向上させた強化モデルを発表しました。
これによって3090プロセッサーの新ファミリーは、新モデルの300E型と最大の多重プロセッサーである600E型、さらに現行の150型・180型・200型・400型の機能をそれぞれ強化した150E型・180E型・200E型・400E型の構成となりました。この600E型は従来の最大機種に比べ処理能力で5割以上向上しています。
これら3090の新ファミリーは、最下位の150E型から最上位の600E型まで処理能力約8倍の幅をもつ製品ラインとなり、より最適なシステムの選択肢を拡げるとともに、上位モデルへの変更はその設置場所でスムーズに行えるためデータ処理量の増大や適用業務の高度化・拡張に対し一段と柔軟かつ経済的に対応できるようになっています。また、科学技術計算や経営シミュレーション等の業務に対しても、強力なプロセッサー能力に加えてベクトル機構を付加できるので多様な適用業務に対し、より早い応答時間で対応できるようになります。
またプロセッサー・ストーレッジ(中央記憶機構と拡張記憶機構の総称)にはすべて1メガビット・メモリー・チップを搭載し、TCM(熱伝導モジュール)の密度を32%向上させるとともにサイクル・タイムを向上させ、また32メガ・バイトから1.28ギガバイト(1,280メガバイト)の記憶容量と1個から6個の中央処理機構、16本から128本のチャネル、そして最大6個のベクトル機構の柔軟な組みあわせにより、商用計算から科学技術計算まで一貫して高いシステム・スループットを実現できます。
この新ファミリーによって、IBM大型システムの中心的システム制御プログラムであるMVS/XA(多重仮想記憶システム/拡張アーキテクチャー)のもとで応答時間の短縮等の効果を得ることができます。また、VM(仮想計算機機能)において複数システムをあたかも1システムであるかのように使える相互システム機能を発表するとともにシステム・ソフトウェアの機能を強化しました。NICアプリケーション(Numerically Intensive Computing:数値計算が集中する使用形態)分野の生産性向上のソフトウェアも強化しました。
本日発表の新製品と機能強化・拡張の概要は次の通りです。
| 150E | 180E | 200E | 300E | 400E | 600E | |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 中央処理機構(数) | 1 | 1 | 2 | 3 | 4 | 6 |
| 高速緩衝記憶機構(キロバイト)×数 | 64×1 | 64×1 | 64×2 | 64×3 | 64×4 | 64×6 |
| ベクトル機構(数) | 0,1 | 0,1 | 0~2 | 0~3 | 0~4 | 0~6 |
| サイクル・タイム(ナノ秒) | 17.75 | 17.2 | 17.2 | 17.2 | 17.2 | 17.2 |
| 記憶容量 | ||||||
| ―中央記憶機構(メガバイト) | 32~64 | 32~64 | 64~128 | 64~128 | 128~256 | 128~256 |
| ―拡張記憶機構(メガバイト) | 0~128 | 0~256 | 0~512 | 0~512 | 0~1024 | 0~1024 |
| チャネル(数) | 16~24 | 16~32 | 32~64 | 32~64 | 64~128 | 64~128 |
| 出荷予定時期 | 中央処理システム価格(概算) | |
|---|---|---|
| 150E | 1987年第2四半期 | 4億4千万円 |
| 180E | 1987年第2四半期 | 6億7千万円 |
| 200E | 1987年第2四半期 | 12億4千万円 |
| 300E | 1987年第3四半期 | 17億3千万円 |
| 400E | 1987年第2四半期 | 23億6千万円 |
| 600E | 1987年第3四半期 | 32億5千万円 |
複数のシステムを1システムであるかの様に使える、VM相互システム機能を発表するとともに、VM/XA SF(仮想計算機機能/拡張アーキテクチャー システム機能)、VM/SP HPO(仮想計算機機能/システム・プロダクト 高性能オプション)の強化を行いました。
| 利用可能予定時期 | 価格(一括払い) | |
|---|---|---|
| VM相互システム | 1987年9月 | 1,905万円 |
| VM/XA SF | 1987年7月 | 106万円 |
| VM/SP HPO | 1987年10月 | 1,744万円 |
SCENAD(技術計算アプリケーション支援プログラム)を発表するとともに、VS(仮想記憶)FORTRANの強化を行いました。
| 利用可能予定時期 | 価格 | |
|---|---|---|
| SCENAD | 1987年5月 | 85,100円(月額) |
| VS FORTRAN | 1987年8月 | 181万円(一括払い) |
IBM3090プロセッサーの各モデルは、日本アイ・ビー・エム野洲工場で製造します。