NEC MS-WINDOWS 3.0B 本製品の内容と取り扱いについて
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PC-9800シリーズ 日本語MS-WINDOWS (Ver3.0B) 本製品の内容と取り扱いについて
日本電気株式会社
1. 製品の構成
本製品はPC-9800シリーズ(PC-H98シリーズを含む)用日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B)であり、次のものが含まれています。
フロッピィディスク 7枚
- 日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B) SETUP DISK #1
- 日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B) SETUP DISK #2
- 日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B) SETUP DISK #3
- 日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B) SETUP DISK #4
- 日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B) SETUP DISK #5
- 日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B) 拡張SETUP DISK #1
- 日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B) 拡張SETUP DISK #2
マニュアル
- MS-WINDOWS 3.0B お使いになるために
- MS-WINDOWS 3.0B さあ始めよう Windows
- MS-WINDOWS 3.0B もっと Windows
- MS-WINDOWS 3.0B 日本語入力ガイド
- MS-WINDOWS 3.0B アクセサリガイド
小冊子
- 日本語MS-WINDOWS (Ver3.0B) 本製品の内容と取り扱いについて(本冊子)
2. オンラインドキュメント
README.TXT
WindowsをセットアップしたディレクトリにREADME.TXTという名前のファイルがあります。このファイルには、日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B)を使用する場合の注意事項およびマニュアルの補足説明などがあります。このファイルの内容を十分理解の上ご使用ください。
その他のオンラインドキュメント
- Windows初期化ファイル(SYSTEM.INI)の各種機能の設定やWindowsの利用環境を定義するための情報が次のドキュメントに含まれています。
SYSINI.TXT
SYSINI2.TXT
SYSINI3.TXT - Windows初期化ファイル(WIN.INI)の各種機能の設定やWindowsの利用環境を定義するための情報が次のドキュメントファイルに含まれています。
WININI.TXT
WININI2.TXT
これらのドキュメントファイルは、セットアップ終了後はWindowsに添付されているメモ帳などのエディタを使用して内容を見ることができます。
3. ディスプレイドライバについて
ディスプレイドライバの種類
日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B)では次のディスプレイドライバをサポートしています。
[PC-9800シリーズ]
- 16色
- 16色(レジューム機能対応)
[PC-H98シリーズ]
- 16色(ハイレゾリューションモード時24ドット明朝)
- 16色(ハイレゾリューションモード時20ドット明朝)
- 16色(ハイレゾリューションモード時16ドットゴシック)
- 256色(ハイレゾリューションモード時24ドット明朝)(※)
- 256色(ハイレゾリューションモード時20ドット明朝)(※)
- 256色(ハイレゾリューションモード時16ドットゴシック)(※)
(※)PC-H98専用256色ボード(PC-H98-E02)実装時のみ使用可能
[PC-9821, PC-9821XX用]
- 640x400 256色
- 640x480 256色
[ウィンドウアクセラレータボード用]
- 640x400 256色モード(16ドット)アクセラレータボード対応
- 640x480 256色モード(16ドット)アクセラレータボード対応
- 1024x768 256色モード(16ドット)アクセラレータボード対応
- 1024x768 256色モード(20ドット)アクセラレータボード対応
- 1024x768 256色モード(24ドット)アクセラレータボード対応
- 1120x750 256色モード(16ドット)アクセラレータボード対応
- 1120x750 256色モード(20ドット)アクセラレータボード対応
- 1120x750 256色モード(24ドット)アクセラレータボード対応
注意
ウィンドウアクセラレータボード用ドライバはPC-9821XX用ウィンドウアクセラレータボードA(PC-9821A-E01)またはPC-9800用ウィンドウアクセラレータボードB(PC-9801-85)実装時使用可能です。
ウィンドウアクセラレータボードは386SX以上のCPUを搭載した機種でのみ利用可能です。また、ウィンドウアクセラレータボード用ドライバ使用時、Windowsをリアルモードで起動することはできません。
なお、ウィンドウアクセラレータボードを実装した状態でも、「SETUP DISK」から固定ディスクに初めてセットアップする際は、アクセラレータボード用ドライバの選択はできません。固定ディスクへのセットアップ終了後、次に述べる〈Windowsセットアップ〉でおこなってください。
ディスプレイドライバの選択
ディスプレイドライバの選択は〈Windowsセットアップ〉で行います。
ディスプレイドライバの選択を行う前にハードウェアがこれから変更する内容と一致するよう設定されていることを確認してください。使用するハードウェアと異なるディスプレイドライバを選択した場合は、Windowsが起動しないことや表示が乱れることがあります。
(1) 〈Windowsセットアップ〉(MS-DOS上)
- Windowsを一旦終了させます。
- Windowsをセットアップしたディレクトリに移動します。
- 次のように入力し、〈Windowsセットアップ〉を起動します.
SETUP - 「ディスプレイ」の項目を反転表示させリターンキーを押し、使用するドライバを選択します。
(2) 〈Windowsセットアップ〉(Windows上)
- [メイン]グループウィンドウの〈Windowsセットアップ〉を起動します。
- [オプション(O)]メニューの[システム設定の変更(C)...]コマンドを選びます。
- 変更したい項目の右側にある下矢印を選択します。
選択可能なディスプレイの一覧が表示されます。 - 設定したいディスプレイを選択し[了解]ボタンを選択します。
ここで選択した項目によってはSETUP DISKをドライブにセットするように表示されますので指示に従ってドライブにディスクをセットした後、パス名を入力し[了解]ボタンを選びます。 - [オプション(O)]メニューの[終了(X)]コマンドを選びます。
ダイアログボックスが表示されますので[Windowsの再起動(W)]または[DOSへ戻る(D)]ボタンを選択してください。
4. Windowsの起動前の注意
Windowsを起動する際にはSHELLコマンドとCOMSPEC環境変数の設定に注意してください。Windowsは、非Windowsアプリケーションの実行時や〈ファイルマネージャ〉でフロッピィディスクにシステム転送を行ったりする場合に、環境変数COMSPECの設定を参照します。COMSPEC環境変数には必ずコンピュータを起動したMS-DOSと同じバージョンのCOMMAND.COMを指定する必要があります。CONFIG.SYSファイルでSHELLコマンドラインが指定されていない場合は、MS-DOSが自動的にコンピュータを起動したドライブのCOMMAND.COMを設定します。
CONFIG.SYSファイルでSHELLコマンドラインを指定する場合は、必ずシェル(コマンドプロセッサ)にCOMMAND.COMを指定してください。また、COMMAND.COMのパラメータにドライブとディレクトリを指定する場合は、コンピュータを起動したMS-DOSと同じバージョンのCOMMAND.COMのあるドライブとディレクトリを指定してください。
例:
コンピュータをドライブAから起動する場合で、CONFIG.SYSにSHELLコマンドラインを指定する場合は次のように指定します。
SHELL=A:¥COMMAND.COM A:¥ /P
5. Windowsのセットアップに必要なディスク容量
Windowsをセットアップ(インストール)する場合は、セットアップする固定ディスクに最低15MBの空き容量が必要です。ただし、既にWindows 3.0をセットアップしてあるディレクトリに再セットアップする場合は5MB以上の空き容量があれば再セットアップ可能です。
注意
光ディスクドライブを接続したコンピュータにWindowsをセットアップする場合は光ディスクドライブに光ディスクをセットし、光ディスクに割り当てられるすべての領域をアクティブにしてください。
6. Windowsで使用するデバイスドライバについて
SMARTDRV.SYS
SMARTDRV.SYSは固定ディスクを対象としたディスクキャッシュプログラムです。光磁気ディスクや、フロッピィディスク、RAMディスクでは機能できません。また、ネットワークに接続された固定ディスクでは機能しません。
EMM386.EXE(EMM386.SYS)
EMM386.EXEを使用した場合、スタンダードモードでWindowsを起動することはできません。CONFIG.SYSファイルにEMM386のコマンドラインが設定されている場合はその行を削除するか、Windowsを386エンハンスドモードで起動してください。
7. Windowsのかな漢字変換について
Windowsには日本語入力するために「AIかな漢字変換(NECAIIME.EXE)」と「AIかな漢字変換(MSKANJI.EXE)」が用意されています。これらのかな漢字変換については、「MS-WINDOWS 3.0B 日本語入力ガイド」を参照してください。
ここでは、「AIかな漢字変換(NECAIIME.EXE)」について補足説明します。
(1) 区点を利用してコード入力を行うには
区点を利用してコード入力を行うには、区と点を連続して入力する方法と区と点を分けて入力する方法があります。
区と点を連続して入力するには次のように操作します。入力可能なくは1区から99区までです。
- 〈コントロールパネル〉の[かな漢字変換]コマンドを使って、「AIかな漢字変換(NECAIIME.EXE)」が使用可能になっていることを確認します。
- CTRL+XFERキーで入力モードにした後、f10キーを押します。
- [拡張機能]ダイアログボックスが表示されます。その中の[入力形式...]を選択します。
- [区点]オプションを選択し、[了解]ボタンを選択します。
- SHIFT+f10キーを押してコード入力モードにします(ガイドラインの左側に「コード」と表示されます)。
- 区2桁、点2桁の計4桁を連続して入力します。区点は10進数で入力してください。例えば、1区、5点の文字を入力するには、
0105
と入力します。
区と点を分けて入力するには次のように操作します。入力可能な区は1区から120区までです。
- 〈コントロールパネル〉のかな漢字変換コマンドを使って、「AIかな漢字変換(NECAIIME.EXE)」が使用可能になっていることを確認します。
- CTRL+XFERキーで入力モードにした後、f10キーを押します。
- [拡張機能]ダイアログボックスが表示されます。その中の[入力形式...]を選択します。
- [区点]オプションを選択し、[了解]ボタンを選択します。
- SHIFT+f10キーを押してコード入力モードにします(ガイドラインの左側に「コード」と表示されます)。
- 任意の区(最大3桁)を入力し、リターンキーを押します。その後任意の点を2桁で入力します。例えば、1区、5点の文字を入力するには、次の3通りの方法があります。
1 (リターン) 05
01 (リターン) 05
001 (リターン) 05
(2) 日本語入力モードで使用するキーの割り当て
AIかな漢字変換(NECAIIME.EXE)を使用して日本語入力を行う際、決められたキー操作で入力モードの変更などができますが、このキー操作を次のように変更することができます。
機能 | キー操作 |
---|---|
英数字入力 | CTRL+NFER |
カタカナ入力 | GRPH+NFER |
ひらがな入力 | CTRL+SHIFT+GRPH+XFER |
半角/全角入力の切り替え | CTRL+SHIFT+NFER |
ローマ字/非ローマ字入力の切り替え | GRPH+XFER |
コード入力 | CTRL+GRPH+XFER |
非コード入力 | CTRL+GRPH+NFER |
単語登録 | SHIFT+GRPH+NFER |
拡張機能 | SHIFT+GRPH+XFER |
未確定文字列の取消 | CTRL+SHIFT+GRPH+NFER |
これらのキーの組み合わせを利用するには、Windowsの初期化ファイル(SYSTEM.INI)の設定が必要です。[Keyboard]セクションに次のように指定してください。
MakeIMEVKey=yes
また、MakeIMEVKey=yesの設定を行った場合、[KeyBoard]セクションに次のキーワードを追加して日本語入力モードの初期状態を設定することができます。
InitConvMode=[入力モード] [全角/半角] [ローマ字入力] [コード入力]
[入力モード]には次のいずれかのモードを指定します。
A:英数モード
K:カタカナモード
H:ひらがなモード(デフォルトの設定)
[全角/半角]には次のいずれかのモードを指定します。
SまたはH:半角モード
DまたはZ:全角モード(デフォルトの設定)
[ローマ字入力]には次のいずれかのモードを指定します。
R:ローマ字入力(デフォルトの設定)
N:かな入力
[コード入力]には次のいずれかのモードを指定します。
C:コード入力
N:通常入力(デフォルトの設定)
MakeIMEVkey=yesに設定し、InitConvModeキーワードの設定を行っていない場合は、日本語入力モードの初期状態はデフォルトの設定となります。入力方式としてデフォルト以外の入力モードを利用している場合は、InitConvModeキーワードの設定を行っておいた方が操作性が向上します。
注意
MakeIMEVkey=yesの設定を行っている場合、AIかな漢字変換(NECAIIME.EXE)の[初期環境設定]の[入力モード]の設定は無効になります。
8. Windowsアプリケーションについての注意
(1) ファイルマネージャ
〈ファイルマネージャ〉を使って、フロッピィディスクにシステムを転送する場合には、カレントドライブをMS-DOSを起動したドライブに変更して実行して下さい。
(2) ペイントブラシ
〈ペイントブラシ〉以外で作成した256色ビットマップファイルを〈ペイントブラシ〉で読み込むことはできますが、保管する際、色情報は〈ペイントブラシ〉のフォーマットに合うように変更されます。
(3) イメージスキャナ
〈イメージスキャナ〉では、読み取り濃度を16階調に指定してデータを読み込むことはできますが、読み込んだデータをBMP形式やPFF形式で保管することはできません。保管しようとすると"現在表示されているデータは保管できません"のエラーメッセージが表示されます。16階調のデータを保管したい場合はTIFF形式もしくはIMFF形式で保管して下さい。
9. Windowsの初期化ファイルの追加情報
ここでは、Windowsの初期化ファイル(SYSTEM.INI)の[386Enh]セクションに関し、Windowsのマニュアルに記載されていない、重要なキーワードについて説明します。Windowsの初期化ファイルについてはWindowsのオンラインドキュメントを参照して下さい。
(1) 仮想ドライバがデータ受信をリトライする回数を指定するには
COM1Delay=〈数値〉 COM2Delay=〈数値〉 COM3Delay=〈数値〉
デフォルト:0
目的:仮想ドライバがデータの受信をリトライする回数を指定します。値が大きいほどデータ受信に割り当てられる時間が長くなります。ただし、その場合は、他の処理に割り当てられるCPUの時間は減少します。イメージスキャナなどを使用中、データエラーが発生する場合、この値を1以上に設定して下さい。CPUが386/20MHzの場合、一般的に500〜1000の値を使用します。これらのキーワードの指定を行う場合は、COMxBufferキーワードの指定も同時に行ってバッファサイズを大きくして下さい。
変更方法:〈メモ帳〉を使ってSYSTEM.INIを書き換えます。
(2) Windows起動時にRS-232Cデバイスを初期化するかどうかを指定するには
COM1Init=〈論理値〉 COM2Init=〈論理値〉 COM3Init=〈論理値〉
デフォルト:true
目的:Windows起動時にデバイスを初期化するかどうかを指定します。デバイスを初期化したくない場合は、falseを指定します。trueに設定した場合、Windowsはデバイスを初期化し、RS-232cのER、RS信号をオンにします。モデムの種類によっては386エンハンスドモードでWindowsを起動すると自動ダイヤルできなくなる場合があります。この場合は、trueに設定して下さい。
変更方法:〈メモ帳〉を使ってSYSTEM.INIを書き換えます。
10. WindowsでのRS-232Cインタフェースの利用
WindowsでのRS-232Cを使用する場合は次の範囲内で通信条件を設定して下さい。
通信速度:75〜9600BPS
パリティ:なし、偶数、奇数
データ長:5〜8ビット
ストップビット:1ビット、1.5ビット、2ビット
11. Windowsセットアップの内容とメモリ環境
Windowsを再セットアップする際、システムに合ったハードウェア、ソフトウェアの構成を設定する必要があります。その他、Windowsで使用するかな漢字変換を設定することもできます。セットアップ方法については「MS-WINDOWS 3.0B お使いになるために」を参照して下さい。
セットアップ時のメモリ環境によっては、使用するかな漢字変換(NECAIIME.EXE)を設定するとメモリ不足が原因で「IMEが実行できません」のメッセージが表示される場合があります。この場合はセットアップ終了後Windowsが起動して、〈コントロールパネル〉の[かな漢字変換]コマンドを使って使用するかな漢字変換を選択して下さい。
また、次のような場合、Windowsをセットアップ後、MS-DOS上から〈Windowsセットアップ〉を実行して下さい。
Windowsのシステム構成を変更してWindowsに添付されていないその他のドライバを使用する場合は次のようにします。
- Windowsを一旦終了させます。
- Windowsをセットアップしたディレクトリに移動します。
- 次のように入力し、〈Windowsセットアップ〉を起動します。
SETUP - 変更したい項目を反転表示させリターンキーを押し、その他を選択します。
MS-DOS5.0がインストールされているコンピュータにおいてEMM386ドライバを使用している場合、Windowsのセットアップを行うとCONFIG.SYSファイル中のEMM386ドライバの組み込み順序が変更され、他のドライバがEMSメモリを使用できなくなります。また、Windowsが使用できる基本メモリが減少するため、再度Windowsのセットアップを行うと、メモリ不足が原因でWindowsのセットアップができなくなります。
〈Windowsセットアップ〉がCONFIG.SYSファイルを書き換える例
Windowsをセットアップする前のCONFIG.SYSファイルの内容
FILES=30 DEVICE=A:¥DOS¥EMM386.EXE /P=64 /F=C000 /UMB DEVICE=A:¥DOS¥NECAIK1.DRV DEVICE=A:¥DOS¥NECAIK2.DRV A:¥NECAI.SYS DOS=HIGH,UMB
Windowsをセットアップした後のCONFIG.SYSファイルの内容
FILES=30 DEVICE=A:¥DOS¥NECAIK1.DRV DEVICE=A:¥DOS¥NECAIK2.DRV A:¥NECAI.SYS DOS=HIGH,UMB DEVICE=A:¥DOS¥EMM386.EXE /P=64 /F=C000 /UMB
この例は、Windowsのセットアップ後、かな漢字変換ドライバ(NECAIK1.DRV、NECAIK2.DRV)はEMSメモリを使用できなくなります。
このような場合はCONFIG.SYSファイル中のEMM386ドライバの組み込み順序を、エディタを使ってセットアップ前の順序に戻して下さい。セットアップ前のCONFIG.SYSファイルの内容は、Windowsをセットアップしたディレクトリに「CONFIG.OLD」というファイル名で保管されています。
12. WindowsをPC-H98シリーズでお使いになる前に
セットアップ時の注意
(1) システム構成の設定
PC-H98シリーズではセットアッププログラム実行中、セットアップするドライブ名、ディレクトリのパス名を入力しリターンキーをした後、表示される項目の中に「DOS環境」の項目があります。
この項目では、Windows上で"ハイレゾリューションモードでノーマルモードの非Windowsアプリケーション(MS-DOS用のアプリケーション)を実行する"かどうかを指定します。
ハイレゾリューションモードでノーマルモードの非Windowsアプリケーションを実行する
通常、ハイレゾリューションモードではハイレゾリューションモード用の非Windowsアプリケーションしか実行させることはできません。しかし、この項目で指定して設定を行うとハイレゾリューションモードでノーマルモード専用の非Windowsアプリケーションが実行可能になります。
ハイレゾリューションモードでノーマルモードの非Windowsアプリケーションを実行しない
上記機能を利用しない場合に指定します。
注意
"ハイレゾリューションモードでノーマルモードの非Windowsアプリケーションを実行する"を指定すると、セットアップ終了時コンピュータを自動的にリセットするため、次のことを行っておく必要があります。
- 実行中の常駐型プログラムがあれば終了させる
- 実行中のネットワークプログラムがあれば終了させる
- ADDDRVコマンドで組み込んでいるドライバがあれば取り外す
- コンピュータのディップスイッチのSW2-5をONにする
(2) 〈Windowsセットアップ〉でのDOS環境設定
システム構成の設定で「DOS環境」を"ハイレゾリューションモードでノーマルモードの非Windowsアプリケーションを実行する"に指定した場合は、セットアップ終了時にダイアログボックスが表示されますので、ドライブに挿入しているフロッピィディスクを抜いて、DOS環境セットアップ(D)ボタンを選択するか、リターンキーを押して下さい。コンピュータは自動的にリセットされ、DOS環境のセットアップが行われます。
注意
〈Windowsセットアップ〉プログラムは、コンピュータを自動的にリセットします。
リセットスイッチは絶対に押さないで下さい。
DOS環境のセットアップが終了すると、メッセージが表示されます。セットアップを有効にするためコンピュータをリセットしますので、何かキーを押して下さい。
キーが押されるとコンピュータは再度リセットされ、MS-DOSが起動します。
これでいつでもWindowsを使用することができます。
ハードウェア環境を変更したときには
Windowsシステム作成時、非WindowsアプリケーションのDOS環境設定を行っていてもその後、ディスクの構成やボードなどのハードウェアの構成を変更した場合には、再度アプリケーションのDOS環境設定を行う必要があります。DOS環境の再設定には2通りの方法があります。
(1) Windows起動時にDOSの環境設定を行う
ハイレゾリューションモードでWindowsを起動した場合、Windowsはハードウェア構成が変更されているかどうか自動的にチェックを行い、変更されていれば環境設定を行うよう指示します。
メッセージが表示されますので、MS-DOSを起動するドライブを入力し、リターンキーを押します。コンピュータがリセットされ環境設定が行われます。中断したい場合はSTOPキーを押すとDOS環境設定は行われずMS-DOSに戻ります。
(2) MS-DOS上でDOS環境設定を行う
MS-DOS上からDOS環境設定を行うには、DOSプロンプトが表示されている状態でWindowsをセットアップしたディレクトリで次のように入力します。
SETNENV
DOS環境設定を行う画面が表示されます、.Windows起動時にDOS環境設定を行う方法を参照して操作をおこなってください。
13. 非Windowsアプリケーション実行時の注意
(1) デバイスの競合について
386エンハンスドモードでWindowsを実行している場合、複数の非Windowsアプリケーションから同時に印刷を行うと、プリンタデバイスの競合を知らせるメッセージが表示されます。この際、印刷中のアプリケーションでないもう一方のアプリケーションに対しデバイス(プリンタ)を割り当てて使用するよう指定した場合、これらのアプリケーションの印刷結果が乱れることがあります。
また、Windowsアプリケーションで印刷中に、非Windowsアプリケーションで印刷を行った場合も同様です。
同時に複数のアプリケーションから印刷を行わないようにしてください。もし、デバイスの競合のメッセージが表示されたら、現在印刷中のアプリケーションにデバイス(プリンタ)を割り当てるよう指定してください。
(2) 〈DOSプロンプト〉上で使用できないMS-DOSのコマンド
Windowsの〈DOSプロンプト〉上では、次のMS-DOSのコマンドは使用しないでください。
- FORMATコマンド(対象が固定ディスクの場合)
- MIRRORコマンド
- UNFORMATコマンド
- HDUTLコマンド
- CHKDSKコマンド(〈/F〉スイッチを指定して使用する場合)
- APPENDコマンド
- JOINコマンド
- SUBSTコマンド
14. 日本語MS-WINDOWSマルチメディアエクステンション(Ver1.0)のご使用にあたって
セットアップについて
日本語MS-WINDOWSマルチメディアエクステンション(Ver1.0)(以後、MMEと略記)を使用する場合には、MMEのセットアップ後、一部のモジュールのアップグレードが必要です。
ここでは、MMEのアップグレード手順について説明します。
なお、以下の説明では、
- MS-DOS
- MS-WINDOWS(Ver3.0B)
は既にセットアップされているものとします。
また、四角で囲まれた操作手順については、WindowsはAドライブのルートディレクトリにあるディレクトリ"WINDOWS"にセットアップされており、ドライブBのFDドライブからアップグレードを行うものとして記述しています。(下線部は入力部分を示します。)
(1) MMEのセットアップ
MMEを「セットアップガイド」などを参考にしてセットアップします。ただし、下記機種でビデオオーバレイ機能を使用する場合には、「ビデオオーバレイ機能について」を参照してください。
- PC-9821Ae/As/Ap
セットアップ終了後は「再起動」ボタンを選択し、システムを再起動してください。
(2) Windowsのディレクトリ設定
Windowsをセットアップしたドライブのカレントディレクトリを、CDコマンドにより、Windowsのディレクトリに変更して下さい。
A:¥>CD A:¥WINDOWS
(3) MMEの差分モジュールのディスク挿入
MMEの差分モジュールがある「日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B)拡張SETUP DISK #2」をBドライブに挿入してください。
(4) カレントドライブの設定
「日本語MS-WINDOWS(Ver3.0B)拡張SETUP DISK #2」を挿入したFDドライブをカレントドライブにしてください。
A:¥>B:
(5) アップグレード用バッチファイルの実行
アップグレード用バッチファイル、UPMME.BATを実行します。
B:¥>UPMME A:
(6) SYSTEM.INIファイルの更新
MMEのアップグレード後は、WindowsをセットアップしているディレクトリにあるSYSTEM.INIファイルの更新が必要です。Windowsのアクセサリの「メモ帳」などで更新してください。
- [386Enh]セクションから「device=*vsound」の行を削除
更新例
[386Enh]
;device=*vsound ;先頭にセミコロンを置くことにより削除(コメント化) - CD-ROIMドライブを使用する場合、[386Enh]セクションに「InDOSPolling=yes」の行を追加
更新例
[386Enh]
InDOSPolling=yes ;新規追加(CD-ROMドライブを使用する場合にのみ追加)
ビデオオーバレイ機能について
下記機種でビデオオーバレイ機能を使用する場合は、本体添付のMS-DOS媒体に含まれるAVグラフィックドライバを、次の手順によりシステムに組み込んでください。
- PC-9821Ap/As/Ae
(1) 386エンハンスドモードでWindowsを使用する場合
- WINSTART.BATの修正
WindowsをセットアップしているディレクトリのWINSTART.BATに次の行を追加してください。(WINSTART.BATがない場合は新規に作成してください。)
ADDDRV A:¥WINDOWS¥MMEVIDEO.DEV
既にこの記述がある場合は、新たに追加する必要があります。 - ドライバ定義ファイルの作成
Windowsをセットアップしているディレクトリに次の内容のMMEVIDEO.DEVファイルを作成してください。
DEVICE=A:¥DOS¥AVGDRV.SYS - マルチメディアドライバへの登録
Windows起動後、〈コントロールパネル〉の「ドライバ」コマンドにより、"[MCI]ビデオオーバレイ(ビデオボード)"を追加してください。「ドライバ」コマンドの詳細については、MMEの「ユーザーズガイド」の「第1章 コントロールパネルに追加された機能の使い方」を参照してください。
(2) スタンダードモードでWindowsを使用する場合
- CONFIG.SYSの修正
システム起動ドライブのルートディレクトリにあるCONFIG.SYSに次の行を追加してください。
DEVICE=A:¥DOS¥AVGDRV.SYS
既にこの記述がある場合は、新たに追加する必要はありません。 - マルチメディアドライバの追加
Windows起動後、〈コントロールパネル〉の「ドライバ」コマンドにより、
"[MCI]ビデオオーバレイ(ビデオボード)"
を追加してください。「ドライバ」コマンドの詳細については、MMEの「ユーザーズガイド」の「第1章 コントロールパネルに追加された機能の使い方」を参照してください。
備考:
MMEのセットアップ時に、もし誤って「ビデオボード」を選択した場合はセットアップ終了直後にCONFIG.SYSおよびWINSTART.BATを「メモ帳」などで確認し、次の行を削除してください。
- CONFIG.SYSについて
DEVICE=A:¥WINDOWS¥VIDEODRV.SYS - WINSTART.BATについて
ADDDRV A:¥WINDOWS¥MMEVIDEO.DEV
(ただし、ビデオボードを実際に使用する場合は削除不要)
サウンドボード
(1) PC-9821シリーズ内蔵および、PC-9801-86サウンドボードについて
MMEでは、PC-9821シリーズ内蔵および、PC-98801-86サウンドボードをPC-9801-73ボードと同等に扱うことができます。これらのサウンドボードを使用する場合は、〈コントロールパネル〉の「ドライバ」コマンドで、
"NECサウンドボード(PC-9801-73) Waveform & MIDI"
をインストールしてください。
(2) PC-9821シリーズについて
システムセットアップメニュー(ヘルプキー押下状態でシステム起動で表示)の「サウンド」の設定を、「使用する」または「BIOSを切り離す」に設定してください。
(3) サウンドボードを使用するアプリケーションの使用について
同一のサウンドボードを使用する複数のアプリケーションを同時に実行しないで下さい。もし、同時に実行した場合は、どれか一つのアプリケーションのサウンドだけが再生され、他のアプリケーションのサウンドは再生されません。他のアプリケーションでサウンドボードを使用するには、次に示す手順によりアプリケーションを実行して下さい。
〈Windowsアプリケーションがサウンドボードを使用している場合〉
サウンドの録音または、再生終了後、目的のアプリケーションを起動して下さい。
注意
MMEのサウンドドライバ、またはAVサウンドドライバを利用しないWindowsアプリケーションを使用する場合は、「メイン」グループの「Windowsセットアップ」により、「サウンドボード」の設定を「使用する」にして下さい。
〈DOSアプリケーションがサウンドボードを使用している場合〉
サウンドボードを使用中のアプリケーションを終了し、そのDOSプロンプトをEXITコマンドで終了後、目的のアプリケーションを起動して下さい。
注意
DOSプロンプト上からサウンドボードを使用するアプリケーションを使用した場合は、アプリケーション終了後もDOSプロンプトをEXITコマンドで終了するまで他のアプリケーションでサウンドボードを使用できません。
サウンドボードを使用する一部のアプリケーションに関しては、DOSプロンプト上での動作を保証できません。DOSプロンプト上で動作不正となるアプリケーションはWindows終了後に使用して下さい。
(別紙ビラ)
ご注意
- 1024x768 256色モード(24ドット)アクセラレータボード対応ディスプレイドライバ使用時、使用するかな漢字変換ドライバによっては、かな漢字変換用ガイドラインが画面に入りきらない場合があります。このような場合は、20ドットのディスプレイドライバをご利用下さい。
- アクセラレータボード対応ディスプレイドライバ使用時、ユーザ定義文字を利用するには16ドットのディスプレイドライバを選択して下さい。
なお、登録済みのユーザ定義文字の表示はすべてのディスプレイドライバで可能です。 - マルチメディアエクステンションを組み込んだMS-WINDOWS 3.0Aがセットアップされた固定ディスクに上書きでセットアップした場合は、必ずマルチメディアエクステンションの再セットアップおよびアップグレードをおこなってください。
出典:日本語MS-WINDOWS (Ver3.0B) 本製品の内容と取り扱いについて、日本電気株式会社、1993年発行