DOS/V付属デバイスドライバ バージョン一覧
DOS/V(PC DOSおよびMS-DOS 日本語版 製品版)のバージョン別のデバイスドライバのバージョンと変更点を、分かる範囲でまとめてみた。
DOS/Vバージョン別デバイスドライバのバージョン番号
バージョン番号が同じでもバグフィックス等で中身が異なる場合があります。DOS J4.0/Vについては資料がなく不明です。
日英共通システム・デバイス関係
製品/ドライバ | HIMEM.SYS | EMM386.EXE | RAMDRIVE | SMARTDRV | MOUSE | MSCDEX |
IBM DOS J5.0/V | 2.77 02/27/91 | 4.20.06X | 3.06 | 3.13 | 7.04 | - |
IBM DOS J5.02/V | 2.77 02/27/91 | 4.20.06X | 3.06 | 3.13 | 7.04 | - |
IBM DOS J5.02D/V | 2.78 11/04/91 | 4.33.06X | 3.06 | 3.13 | 7.04 | - |
Windows 3.1 | 3.07 02/14/92 | 4.44 | 3.06 | 4.0 | - | - |
PC DOS J6.1/V | 3.09 02/06/93 | 4.45 | 3.06 | 4.1 | 8.20 | - |
MS-DOS 6.2/V | 3.09 02/06/93 | 4.48 | 3.06 | 5.0 | - | 2.23 |
PC DOS J6.3/V | 3.09 02/06/93 | 4.48 | 3.06 | 5.0 | 8.20 | 2.23 |
PC DOS J6.30C/V | 3.09 02/06/93 | 4.50 | 3.06 | 5.0 | 8.20 | 2.25 |
PC DOS J2000 | 3.15 05/30/94 | 4.50 | 3.10 | 5.10 | 8.20 | 2.25 |
Windows 95 | 3.95 09/30/93 | 4.95 | 3.07 | 5.0 | - | 2.25 |
Windows 98 | 3.95 | 4.95 | 3.07 | 5.0 | - | 2.25 |
日本語入出力関係
製品/ドライバ | $FONT.SYS | $DISP.SYS | $IAS.SYS | $IAESKK.SYS | IBMMKKV |
IBM DOS J5.0/V | 1.11 | 1.10 | 2.10 | 1.03 | 3.04 |
IBM DOS J5.02/V | 1.11 | 1.11 | 2.20 | 1.03 | 5.02 |
IBM DOS J5.02D/V | 1.12 | 1.13 | 2.21D | 1.03 | 5.02D |
PC DOS J6.1/V | 1.20 | 1.30 | 2.40 | 1.03 | 6.10 |
MS-DOS 6.2/V | (2.0) | (2.0) | - | - | - |
PC DOS J6.3/V | 1.21 | 1.32 | 2.41 | 1.03 | 6.30 |
PC DOS J6.30C/V | 1.21 | 1.32 | 2.42C | 1.03 | 6.30 |
PC DOS J2000 | 1.31 | 1.32 | 2.43 | 1.03 | 7.00 |
Windows 95 | (2.0) | (2.0) | - | - | - |
Windows 98 | (2.0) | (2.0) | - | - | - |
プリンター関係
製品/ドライバ | $PRNUSER.SYS | $PRNESCP.SYS | PRN.SYS | PRNIBM.COM | PRNESCP.COM |
IBM DOS J5.0/V | 1.00 | 1.10 | - | - | - |
IBM DOS J5.02/V | 1.00 | 1.10 | - | - | - |
IBM DOS J5.02D/V | 1.01 | 1.11 | - | - | - |
PC DOS J6.1/V | - | - | ? | 2.00 | 2.00 |
PC DOS J6.3/V | - | - | 1.01 | 2.00 | 2.02A |
PC DOS J6.30C/V | - | - | 1.01 | 2.00 | 2.02A |
PC DOS J2000 | - | - | 1.01 | 2.01 | 2.04 |
ファイル別バージョン変更履歴の要約
HIMEM.SYS
XMS 2.0(HIMEM.SYS 2.xx)には16MBの壁が存在する。XMS 3.0(HIMEM.SYS 3.xx)には16MBの壁はないが、PC DOS/MS-DOSのHIMEM.SYSでは64MBに制限されている。Windows 95以降のHIMEM.SYSでは最大約3GBまで使用できる。ただし、Windows上で認識できるメモリ容量はWin3.1のエンハンスドモードでは256MB、Win95/98/Meでは1GBという制限がある。
- 2.78 (DOS 5.0用修正ファイル)
- EISAバスを搭載するシステムでメモリを正しく認識できない問題を修正
- ハングする場合がある問題を修正
EMM386.EXE
4.49にて、PCIバスを装備するシステムでI/O ポート400H番地以降に32ビットでアクセスができない問題を修正。特に、PCI世代のIntel製チップセット(Triton+PIIXなど)を搭載するマシンではEMM386 Version 4.48以前を導入しようとするとハングする。
- 4.33.06X
- HMA有効時にINT19Hが失敗する問題を修正
- EISAバスを搭載するシステムでDMA転送が機能しない問題を修正
- 4.44
- UMB/EMS確保時に上位メモリー領域C600-DFFFをスキャン
- 4.45
- UMB/EMS確保時に上位メモリー領域C000-DFFFをスキャン
- /HIGHSCANスイッチによるF000-F7FFスキャンをサポート
- 4.49 (MS-DOS 6.2/V用修正ファイル、英語版MS-DOS 6.22収録)
- PCIバスを装備するシステムでI/O ポート400H番地以降に32ビットでアクセスができない問題を修正
- 4.50
- 3270PCを使用中、VCPIを使用したアプリケーション(ネットワーク、コンパイラ、データベースなど)を起動するとハングする問題を修正
SMARTDRV.EXE (SMARTDRV.SYS)
Windows 3.1付属のSMARTDRV Version 4.0は、電源オフまたは再起動前に/Cスイッチでキャッシュをクリアしないと、書き込みキャッシュがディスクに反映されずデータを消失する危険がある。やむを得ずこのバージョンを使用する場合、-(マイナス)オプションで書き込みキャッシュをオフにすることを推奨する。
- 3.13
- 論理パーティションをサポート
- 内部コードの最適化
- 4.0
- ファイル名をSMARTDRV.SYSからSMARTDRV.EXEに変更。DOS起動後に組み込めるようになった。
- 一部の環境との互換性問題を改善する/DOUBLE_BUFFERオプションを追加
- 書き込みキャッシュ機能を追加
- 4.1
- DoubleSpace圧縮ドライブをサポート
- 4.2 (英語版MS-DOS 6.x用修正ファイル)
- グローバルキャッシュを標準で無効とした。
- すべてのドライブで書き込みキャッシュをオフにする/Xスイッチを追加
- DOSアプリケーションを終了してコマンドラインに戻るときにキャッシュデータを処理・クリアするようになった。(PC DOS J6.1/VではCOMMAND.COMで同等の処理を行う。)
- 5.0
- CDドライブの読み込みキャッシュをサポート
- 5.01
- フォトCDの最後のデータが読めない場合がある問題を修正
MSCDEX.EXE
- 2.21
- CDドライブのネットワーク共有をサポート (WfW 3.11用)
- DOSバージョンチェックのDOS 5.0対応(DOS 6.0以降で使う場合はDOSVERによるバージョン偽装が必要)
- 2.22
- UMBメモリへの導入に標準対応
- DOSバージョンチェック廃止
- /Vのメモリ使用状況表示の数値が正しくない問題を修正
- 2.23
- ファイル検索でファイルが見つからない場合がある問題を修正
- 感嘆符(!)で始まるファイル・ディレクトリ名を許容
- 2.25
- 日本語文字を含むディレクトリ名やファイル名が認識できない問題を修正
$FONT.SYS
1.20(PC DOS J6.1/V)以降でXMA(XMSメモリー)に導入できるようになった。それより古いバージョンではINT13H BIOSを使ってフォントデータのメモリを確保するため、XMAが分断される関係でWin3.1以降で16MB以上のメモリを使用できないという弊害がある。HIMEM.SYSに/INT13スイッチを指定してあらかじめ$FONT.SYS用のメモリをXMAに確保すれば、この問題を回避できる。
$IAS.SYS
- 2.20
- US配列のキーボード(IBM 英語101キーボード)に対応
- 2.22 (DOS J5.0/V サンプルディスケット収録)
- AXキーボード、J-3100キーボードに対応。
- 2.40
- JIS78/JIS82表示選択を追加。
- PC DOS J6.1/V DOSV.INIの設定ファイル読み込みに対応。
- 2.41
- トグル表示モードおよび26行目表示モードを追加
- 2.42C
- 主にバグフィックス
参考文献
- EMM386 のトラブルシューティングと技術情報 - https://support.microsoft.com/ja-jp/kb/78557
- SMARTDrive Version History - https://support.microsoft.com/en-us/kb/127021
- History of Microsoft MS-DOS CD-ROM Extensions (MSCDEX) - http://support.microsoft.com/kb/123408
- IBM DOS バージョン J5.0 ユーザーズ・ガイド 、日本アイ・ビー・エム、1991年、SC18-2493-00
- IBM DOS バージョン J5.0/V 入門書(かんたんDOS)追加情報および導入ガイド(英文) 、日本アイ・ビー・エム、1992年、SN18-2905-00
- readme.txt『PC DOS J6.1/V ご使用上の注意事項』、日本アイ・ビー・エム、1993年
- readme.txt『PC DOS J6.3/V ご使用上の注意事項』、日本アイ・ビー・エム、1994年
- newemm.txt『Microsoft MS-DOS 6.2/V Upgrade EMM386.EXE のアップデートについて』、マイクロソフト、1995年
- pcd613.txt『PC DOS J6.3/V 同等機能アップグレード(J6.1/V用)』、日本アイ・ビー・エム、1995年
- dos630c.txt『PC DOS バージョン J6.30C/V 問題修正情報』、日本アイ・ビー・エム、1995年
- dos700c.txt『PC DOS バージョン J7.00C/V 問題修正情報』、日本アイ・ビー・エム、1998年