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サポート技術情報

異なる環境で印刷範囲やセルの幅、高さが変わる場合の対策

文書番号: 402565

最終更新日: 1997/10/21


この資料は以下の製品について記述したものです。


この記事は、以前は次の ID で公開されていました: JP402565

概要

本文書は、異なる複数の Microsoft(R) Windows(R) (以下 Windows) 環境で Excel 5.0 の表を共有する場合に起こりうる「印刷範囲やセルの幅、高さが変わってしまう
現象」について、原因と対策をまとめています。

詳細

異なる複数の Microsoft(R) Windows(R) (以下 Windows) 環境でデータを共有する
際に、印刷範囲やセルの幅、高さが変わってしまうことがあります。同一のパソコ
ンを使用していても、ディスプレイの解像度や使用するプリンタなどの環境が
変更されても起こることがあります。これらは Excel 5.0 以外のトラブルに
よる原因も考えられますが、Windows あるいは Excel 5.0 自身の仕様によっ
て、正常な状態であっても起こることがあります。

I. Excel 5.0 の表示方法

Excel 5.0 は行/列単位でサイズのデータを持ち、表示の調整を行なっていま
す。他の種類のアプリケーションに比較しても、表示に関して計算処理が多く
なることで速度の点では不利になります。表計算ソフトの性格上、行や列のサ
イズを変更したりスクロールさせることは頻繁に行う操作ですので、Excel
5.0 ではある程度処理を簡略化することで速度を優先させています。
Excel 5.0 では、サイズの基本単位として「標準フォント」で指定されたフォント
の幅をベースに、その時点でのディスプレイ ドライバ、プリンタ ドライバからの
情報も合わせて計算で求められた「ポイント」を使用しています。この方法は、
環境に依存しますので表示上の正確さには欠けますが、表示の度に表示領域と
表示文字列の調整 (計算) を行わなくてすむため、速度的に有利になります。こ
の他にもいくつかの理由によって、ワープロソフトや DTP ソフトなどのように出
力を重要視するアプリケーションよりは厳密ではない部分があります。

II. 「ずれ」の原因と対策

1 つのセルあたり、1 文字以上ずれるときには別の原因があるのかもしれませ
ん。前項の理由により、それ以内のずれであれば、現行の Windows と Excel
5.0 のもとでは起こる可能性があります。印刷範囲が 1 列ずれるのは、一見
大きなずれのように見えますが、Excel 5.0 では行や列の途中で複数のページ
にまたがらないようにしていますので、ほんの少しずれても 1 列分ずれて表
示/印刷されます。
この問題を発生させる要因は環境に依存しますので、簡単に考えられる解決策は、
環境をまったく同じにすることです。Excel 5.0 上の「標準フォント」の設定は
もとより Windows、使用されるフォント、ディスプレイ ドライバ、プリンタ
ドライバおよびその設定 (解像度、DPI など)、そしてそれらすべてのバージョ
ンまでを合わせれば良いのですが、これでは現実的な対応策とは言えません。しか
し可能な範囲で合わせることで解決されたり、いくぶんでも状況が良くなる可
能性はあります。
これとは別のアプローチとして以下の方法も考えられます。

1. ページレイアウトの機能で自動的に拡大縮小させる

[ファイル] - [ページレイアウトの設定] コマンドを実行します。[ページレイア
ウトの設定] ダイアログ ボックスの [ページ] パネルの [拡大縮小印刷] グルー
プに [横 xx × 縦 xx ページに印刷] ボックスがあります。これは、シートや選択
範囲を指定されたページ内に収まるように印刷します。縦、横のページ数はそれ
ぞれ別に指定することができます。元々 1 ページに納めるつもりの表であれば、
ここは「横 1 ×縦 1 ページに印刷」とすればよいでしょう。環境が異なっても、
拡大縮小することで同じ印刷範囲を保つことができます。

2. 余裕を持たせてページ区切りをしたり、セルの幅/高さを設定する

印刷物の文字の大きさがほんのわずかでも変わってはいけないようなケースでは、1 の 方法は使えません。使用されるすべての環境で、もっともサイズに厳しい環境でデー タを作成することで、それよりも余裕のある環境であっても対応できるはずです。こ の場合、セルや表に空白部分が多くなります。

3. それぞれの環境用に最適化したテンプレートを作成する

データのフォーマットが固定されているような定型的なデータであれば、それぞれの環 境で最も適切サイズの設定がされた空のファイルをテンプレートとして用意し、共有 したいファイルのデータを複写して貼り付けるか、リンク (LAN 上でお使いの場合に は、元データをファイル サーバーに入れておき、これを参照させることもできま
す) させます。毎回この作業を行うのは大変ですが、表示や印刷専用と割り切って、 必要なときだけに使用するか、マクロを作成して自動的に行なえるようにする方法
も考えられます。
これらの方法では根本的な解決にはなりませんが、どれかまたは複数の方法を併用
させることである程度運用でカバーできる可能性があります。一度お試しいただけ
ますよう、お願いいたします。

III. 画面表示と印刷結果が異なる場合

似たような現象として、画面上に表示されるワークシートのイメージと印刷結果
またはプレビューの表示が異なるという問題が起こることがあります。画面上で
ワークシートの列の幅や行の高さをジャスト フィットさせてプレビューで確認
すると、セルにきちんと表示されていた値が表示しきれずに「####」という表示
になってしまうこともあります。
この現象も本問題と本質的には同じ原因によるものです。プレビューは印刷物と
可能な限り同じにしなければなりません。画面とプリンタでは解像度や、物理的な
サイズや特別なケースを除いて使用されるフォントが異なりますので、まったく
同じというわけにはいきません。しかし、行や列の比率やオブジェクトの位置関
係を始めとするイメージは同一になるはずです。これは Excel 5.0 が、プリンタ
ドライバからそのプリンタが持っている能力や情報を受取り、これらを元に印刷物
のイメージを画面上で作り上げているからです。
もし印刷物とプレビューが異なるようなときには、プリンタ ドライバの選択が
異なっているのか、プリンタ及びプリンタ ドライバに問題がある可能性が高く
なります。
しかしながら画面上のワークシートは、表示の正確さよりも速度を重要視させて
います。逆に言えば、このために Excel 5.0 はプレビューの機能を用意している
とも言えます。印刷をするときの最終的な確認や調整はプレビュー機能で行うよ
うにしてください。

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