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サポート技術情報

[XL]「一般保護違反」が発生した時,ハングアップしたときのチェック項目

文書番号: 402558

最終更新日: 2004/03/05


この資料は以下の製品について記述したものです。


概要

本文書では、Excel 5.0 を使用している中で、アプリケーション エラー「一般保護違 反」が発生したときやハングアップしたときに注意したい、一般的なチェック項目
について説明しています。

1. 一般保護違反とは

一般保護違反とは、プロテクト モードで動作している Microsoft(R) Windows(R)
Version 3.1 (以下 Windows) 上で本来アクセスしてはいけないメモリに対してアク
セスを行ったときに発生する CPU レベルの割り込みで、発生したアプリケーション
の動作が継続できなくなる可能性があるだけではなく、それ以降の動作が保証されな くなる可能性のある重大なエラーです。また Windows、アプリケーションやドライバ などプログラムの開発者が予測していない、その原因を特定するのが大変に難しい
エラーでもあります。
このエラーが発生するとアラート ボックスが現れ、発生したモジュールとそのメモリ 上のアドレスが表示されます。「ワトソン博士」を使用されているのであれば、更に 詳しい履歴が残ります。発生したモジュールの情報は参考にはなるのですが、あく
までエラーの起きた箇所がわかるだけであり、その原因となっているものの特定は
できません。またそのメモリ上のアドレスも (アプリケーションを開発していると
きに) デバッグ中は役に立ちますが、完成品を動作させている状態ではあまり参考
にはなりません。

2. ハングアップとは

ハングアップとは、コンピュータが何らかの原因で異常動作を起こし、キーボード
からの入力をいっさい受け付けなくなり、画面がどんな操作にもまったく反応しな
い状態になることです。マウス ポインタは画面上で動かせる場合と、そうでない場
合がありますが、マウスのクリックによる操作を行うことはできなくなります。

3. チェック項目

これらのトラブルに対する原因を絞りこむために以下のチェック項目を用意しました。 ここにあるチェック事項は、実現不可能な場合もあるでしょう。しかし、可能な範
囲でテストしていただけますようお願いいたします。それぞれをよくお読みになっ
て、その情報をサポート スタッフに伝えていただけますようお願いいたします。

(1) コンピュータを再起動させて、同様の手順でテストを行ってください

なんらかの原因で、Windows 環境自体に問題が生じてしまった可能性があります。一度 Windows を終了してから、再度コンピュータを起動させて、現象が起きたときと同様 の操作を行ってみてください。もしこれで問題が発生しなくなったときには、そのま ましばらく様子をみてください。ある程度の頻度で発生するのであれば、(2) 以降の チェック項目をご覧ください。

(2) Excel 5.0 のみを単独で動作させて、テストを行ってください

同時に動作している他のアプリケーションやツールが悪い影響を与えているのかもしれ ません。「同時に動作している」ものには、Windows のアプリケーションだけでなく、 スクリーン セーバーにも注意が必要です。特に日本語 Windows 上では英語版のス
クリーン セーバーなどで問題が起こるケースがあります。一旦「プログラム マネ
ージャ」の [スタートアップ] グループからすべてのアプリケーションを別のグル
ープに移動させてからコンピュータを再起動し、Excel 5.0 のみを起動させて、現
象が起きたときと同様の操作をお試しください。

(3) その現象が特定のファイルでのみ発生する現象なのかどうかを確認してください

特定のファイルを操作した時にのみ問題が発生する場合には、何らかの原因によって そのファイル自身の内部情報が破損していることが考えられます。ファイルが開ける 場合には、必要な範囲をコピーし新規のブックに貼り付けて保存後、同様の問題が
発生するかどうか確認してください。また、[ファイル] - [名前を付けて保存] コ
マンドでファイルの形式を「テキスト」などに変えて保存したものを再度 Excel
5.0 で開いてお試しください。書式や数式などの Excel 5.0 固有の情報は欠落し
ますが、異常な情報を取り除くことができる場合があります。

(4) システム リソース領域が十分かどうかを確認してください

Windows はシステム リソースが不足すると安定した動作を行えなくなることがあり
ます。これは Windows 自体が使用する特殊なメモリで、本体メモリをいくら増設し
てもその大きさは固定で、増えることはありません。Excel 5.0 が起動する前に
50% 以上、一般保護違反が起こる直前で 20% 以上のメモリは最低でも確保してお
きたいものです。
この数値は、「プログラム マネージャ」の [ヘルプ] - [バージョン情報] コマ
ンドや、Excel 5.0 の [?] - [バージョン情報] コマンドを実行すると表示され
るダイアログ ボックスの <システム情報> ボタンで確認することができます。

(5) ディスプレイ モードを最もベーシックなものに変えてテストを行ってください

ディスプレイ ドライバやディスプレイ カード固有の問題かどうかをきり分ける
ために、PC-98 シリーズの場合にはノーマル モード (640 × 400 ドット 8 また
は 16 色表示) に、AT 互換機および IBM のコンピュータの場合には VGA モード
(640 × 480 ドット 16 色表示) にディスプレイ モードを変更してお試しくださ
い。

(6) プリンタ ドライバを別のものに変えてテストを行ってください

プレビューを表示しようとしているときや印刷をしようとしているときにこのエラ
ーが発生することもあります。このときプリンタ ドライバ固有の問題かどうかを
きり分けるために、別のプリンタ ドライバに変更してみてください。プリンタ ド
ライバが異なれば実際に印刷がうまくいかないかもしれません。しかし問題が発生
するかどうかだけを調べるわけですので、それは問題ではありません。ただし、
プリンタおよびプリンタ ドライバによっては、コンピュータとプリンタの間で
相方向通信を行いながら処理を進めているものもあります。幾つかの種類をお試
しください。

(7) 他のコンピュータ システムで同様の問題がでるかどうかを確認してください

コンピュータ自体、または Windows の環境自体に問題があるかどうかをきり分けるた めに、別の環境があれば試してみる価値はあります。

(8) 各種ドライバが最新のものかどうかを確認してください

ディスプレイ ドライバ、プリンタ ドライバ、サウンド ドライバ、フォント ドラ
イバなどのドライバ類はバージョンアップされて過去の不具合が修正されていたり、 機能が強化されているものがあります。こまめに最新情報を入手し、アップデートす ることで解決できるかもしれません。
詳しくは各ドライバのメーカにお問い合わせください。

(9) メモリ マネージャが同一の製品中のものかどうかを確認してください

HIMEM.SYS、SMARTDRV.EXE、EMM386.EXE などのメモリ マネージャは、Windows にも
Microsoft(R) MS-DOS(R) (以下 MS-DOS) にも添付されています。これらを混在させ
て利用するのはよくありません。同一の製品に統一してお使いください。基本的に
は新しいものを利用するのが良いでしょう。例えば、MS-DOS Version 3.x と
Windows ならば、Windows のものを、MS-DOS Version 6.2 と Windows ならば
MS-DOS のものを利用してください。わからない場合には、ファイルの日付を
見ることで新しいものを見つけることができます。
もし他社製のメモリ ドライバを利用されているときには、それがやむ得ないときを除 き、MS-DOS か Windows のものに変えてお試しください。

(10) スワップ ファイルのアクセスが「 BIOS を経由しないでスワップファイルを利用

(32bit アクセス モード) 」のモードになっている場合、これをオフにしてテス

してみてください

ハードディスクのコントローラによっては、BIOS を経由しないでスワップ ファイルを 利用することができるものがあります。これはスワッピングの高速化につながるのです が、環境によって、これがうまく動作しないケースがあります。「コントロール パ
ネル」の [エンハンスド モード] - <スワップファイルの設定> ボタン - <変更> ボ タンでこの設定を確認後、もし設定がオンになっていればこれをはずしてお試しく
ださい。

(11) MS-DOS Version 6.2 添付のもの以外のディスク圧縮ツールを使われている場合、

これをはずしてテストしてみてください

ディスク圧縮ツールの中には、MS-DOS のバージョンや Windows のバージョンによって 問題が起こるものがあるかもしれません。特に SMARTDRV.EXE との相性は致命的な結 果をもたらすこともあります。圧縮ツールをはずせるのであればはずして、少なくと も SMARTDRV.EXE をはずしてお試しください。

(12) MS-DOS 上で組み込まれている常駐型のソフトウェアをはずしてテストを行ってく

ださい

MS-DOS アプリケーションのためのメニュー プログラムや高速ロード プログラムなど の常駐型ソフトウェアには、Windows と相性の悪い物やバージョンがあります。一旦 これらをはずすか、終了させた後に Windows を起動するようにしてお試しください。

(13) ハードディスクのメディア チェックを行ってください

ハードディスクに問題があるときにも問題が起こる可能性があります。
Microsoft 版 MS-DOS Version 6.2/V には SCANDISK.COM があり、これでハードディス クのメディアをチェックできます。5.0 以下のバージョンでは、市販の Norton
Utility や PC TOOLS、エコロジーなどのディスク メンテナンス ツールに、メデ
ィア チェックの機能やユーティリティが添付されています。CHKDSK.EXE では FAT
の整合性しかチェックできませんので、これで問題が無くても安心できませんので
注意してください。

(14) BIOS が最新のものか確認してください

コンピュータの中には BIOS を書き換えることができるものがあります。これらの機種 では、最新のバージョンの BIOS を使用することができますので、メーカーに連絡し て最新の BIOS を入手されることをお勧めします。

(15) コンピュータ ウィルスの感染が無いかどうかを確認してください

まれにではありますが、コンピュータ ウィルスの感染によることが原因となることも あります。
MS-DOS Version 6.2 には MWAV.EXE というアンチ ウィルスのツールが添付されて
います。この他に市販の製品で、SCAN や Norton Utility などがあります。特に
パソコン通信を利用してソフトウェアをダウンロードされている方、大勢の人が使
用するコンピュータの場合には注意しておく必要があるでしょう。
以上、これらの情報がわかれば大変に参考になります。もしこれらの調査、テストの中 で問題が解決してしまったときにでも、情報をいただければ他の同じ現象に悩まれ
ているお客様の良い参考となります。勝手ではございますがご連絡を頂戴できれば
幸いです。

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