KB402481 - [XL]ブック間のリンクを変更する方法および解除する方法

詳細

1. リンクとは

リンクについての詳細は「ユーザーズガイド」 131 ページ「第 10 章数式、関
数の入力とセルのリンク」をはじめ、169 ページ「複数のブックをリンクする」
などを参照してください。

2. リンクの自動更新

ブック間のリンクは、つねに自動更新されます。参照先のワークシートを開くと、
メッセージ「このシートにはリンクが設定されています。リンクを設定し直しま
すか？」が表示されます。ここで <はい> ボタンをクリックすると、参照元ブックを参照し、リンクされているデータを更新します。<いいえ> ボタンをクリックすると、リンクされているデータを更新せずに、そのままブックを開きま
す。参照元ブックを開くことによって、リンクは自動的に更新されます ([ツ
ール] - [オプション] コマンド [計算方法] パネルの [再計算] オプション
が「自動」の場合) ので、参照元ブックをすぐに開く予定がある場合は <いい
え> ボタンをクリックします。
また、リンクが設定されているブックを開く際に確認メッセージを表示せずに、
自動的に更新を行いたい場合は、[ツール] - [オプション] コマンドを実行
し、[編集] パネルの [設定] グループに含まれる [リンクの自動更新前にメ
ッセージを表示] チェックボックスをオフ (×が付いていない状態) にします。

3. 「ファイルが見つかりません」

メッセージ「このシートにはリンクが設定されています。リンクを設定し直
しますか？」が表示されたときに <はい> ボタンをクリックすると、Excel
5.0 は参照元ブックを参照します。しかし、参照元ブックがリンクを設定した
ときとは別のディレクトリに移動していたり、ブック自身が削除されて存在し
ていないときには、「ファイルが見つかりません」ダイアログボックスが表
示され、参照元ブックの保存場所を指示するように求めてきます。
4. 参照元ブックが別のディレクトリに移動している、またはファイル名が変更されて =============================================================================

いる場合

参照元ブックが別のディレクトリに移動していたり、参照元ブックのファイル名
が変更されている場合は、「ファイルが見つかりません」ダイアログボックスか
ら、適切なディレクトリに移動後、目的のファイルを選択して <OK> ボタンをクリックします。一時的な変更だけでなく、参照元の設定を完全に変更した
い場合は <キャンセル> ボタンをクリックして、いったんブックを開いた後
[編集] - [リンク] コマンドを実行します。<リンク元の変更> ボタンをクリ
ックして、「リンクの変更」ダイアログボックスから参照元を変更後、ブック
を保存します。

5. 参照元ブックが削除されていて存在しない場合

参照元ブックが削除されていて存在しない場合は、「ファイルが見つかりませ
ん」ダイアログボックスが表示されても選ぶべきファイルがありません。<キ
ャンセル> ボタンをクリックしてブックを開きます。

注意

「ファイルが見つかりません」ダイアログボックスや [編集] - [リンク] コマ
ンドを使って参照元ブックを変更する場合、目的のファイルがないからといって、
不用意に保存されている他のブックを新しい参照元に指定してしまうと、期待する
計算結果が得られないなど、参照先に思わぬ結果を招く恐れがありますので注意が
必要です。

6. 他のブックとのリンクを解除するには

他のブックとのリンクを解除するには、参照先ブックを編集して「他のブックと
リンクしている部分」の設定を変更したり、消去します。

(a) 外部参照数式

外部参照数式とは、例えば「'C:\SALES\[Q4SALES.XLS]Sheet1'!$F$7 」のよう
な他のブック内のシートのセルを参照するための数式です。
リンクを解除するには、存在しないブックを参照している数式を探し、適切な
数式に変更するかまたは計算結果を値に置き換えます。
数式を値に置き換える方法は次の通りです。
<手順>

値に置き換えたい数式が入力されているセルを選択します。
[編集] - [コピー] コマンドを実行します。
続けて [編集] - [形式を選択して貼り付け] コマンドを実行します。
[形式を選択して貼り付け] ダイアログボックスの [貼り付け] グループから [文字/ 数値] オプションを選択して <OK> ボタンをクリックします。

注意

「ユーザーズガイド」 174 ページ「ブック間のリンクを解除する」では、大きな
数式の一部で外部参照が使用されている場合、目的の参照部分だけを計算して値
に変更することができると記述されています。しかし、連結元ブックが削除されて
いる場合は、正しい参照を行うことができないため、適切な値に変更することが
できません。数式全体を [形式を選択して貼り付け] 機能で値に変換します。
外部参照数式についての詳細は「ユーザーズガイド」 171 ページ「リンクを
使用して作業する」を参照してください。
外部参照数式の入力されているセルがどこにあるかわからない場合には、次の
方法で検索します。
<手順>

[編集] - [リンク] コマンドを実行し、参照先の存在しないブック名を確認後 <閉じる> ボタンをクリックします (ここでは仮に [リンク元ファイル] に「 C:\SALES\Q4SALES.XLS 」と表示されているとします)。
ブックに含まれるシートを一つ選択します。

[編集] - [検索] コマンドを実行し、[検索] ダイアログボックスの設定を次のようにし、<次を検索> ボタンをクリックします。

     [検索する文字列] ボックス                        「 Q4SALES.XLS 」と入力
     [対象] ドロップダウン リスト ボックス             [行] を選択
     [大文字と小文字を区別する] チェック ボックス      オフ
     [完全に同一なセルのみ検索する]  チェック ボックス オフ

アクティブシート内から指定した文字列を含む数式が見つかならかった場合は、エラーメッセージ「一致するデータはありません」が表示されますので、別のシートを選択して 3. の操作を行います。
指定した文字列を含む数式が見つかった場合は、そのセルへ自動的に移動していますので、[検索] ダイアログボックスの <終了> ボタンをクリックします。
選択されているセルの数式を確認し、適切な数式に変更するかまたは数式を値に変更します。
エラーメッセージ「一致するデータはありません」が表示されるまで、3. から 6. の操作を繰り返します。

(b) 名前

[挿入] - [名前] - [定義] サブコマンドを実行します。[名前一覧] リストボックスに登録されている名前がある場合は、それぞれの名前を選択し、[参照範囲] ボック
スの表示を確認します。削除されている他のブックを参照する数式があった場合は、適切な参照に変更するか <削除> ボタンで名前の定義を削除します。
名前についての詳細は「ユーザーズガイド」 149 ページ「名前を使用して参照を
簡略化する」を参照してください。

(c) オブジェクト

次のオブジェクトは他のブックのデータを参照することができます。

グラフ
<カメラ> ツールや [編集] - [画像リンク貼り付け] コマンドで作成した画像オブジェクト
マクロが登録されているボタンや図形オブジェクト

参照先ブックに作成されている各オブジェクトから、削除されているブックを参照している部分がないか確認します。

(d) その他のトラブル

(a)、(b)、(c) のそれぞれを確認しても、存在しないブックとのリンクを解除する
ことができない場合は、連結しているいずれかの部分を見落としているか、あるい
は何らかの原因によってファイル自身に異常が発生していること (部分的に壊れて
いるなど) が考えられます。
参照先ブックの必要なセル範囲を選択し、[編集] - [コピー] コマンドを実行後、
新しいブックを作成して [編集] - [貼り付け] コマンドの実行し、リンクの状態
をご確認ください。複雑なリンクを設定している場合は調整が必要ですが、新しい
ブックに貼り付けることによって問題が解決するようであれば、新しいブックの方
で作業を続けられることをお勧めします。