本ページは公開が終了した情報の複製であり、掲載時点での情報です。本ページに記載されている内容について各所に問い合わせることはご遠慮下さい。
サポート技術情報

[XL] 数値を丸める方法 (ROUND 関数の使用例ほか)

文書番号: 402253

最終更新日: 2000/11/14


この資料は以下の製品について記述したものです。


この記事は、以前は次の ID で公開されていました: JP402253

概要

小数を含む数値などで、必要とする右端の位 (または桁) より 1 つ下の位 (または
桁) の値を四捨五入して、数値を短縮することを「丸め」といいます。四捨五入以
外にも切り上げや切り捨てなどの場合もあります。
本文書では、Excel 5.0 で数値を丸めるワークシート関数の使用例をまとめています。

詳細

1. [表示形式] と実際の値

セルに入力されている数値や、数式の計算結果などを表示する際、[書式] - [セ
ル] コマンドの [表示形式] パネルの設定によって、目的の桁数だけ表示すること
ができます。
例えば、セル A1 の計算結果が 12.34 であるとき、整数部分だけを表示したい場
合は [表示形式] の定義を「 0 」などに設定します。
しかし、[表示形式] の設定は表示上だけの調整です。セルに格納されている実際
の数値データは、入力した数値や、数式によって求められた値がそのまま認識さ
れています。
  __|_ A 列の表示_|_A 列の数式_|_A 列の実際の値_
   1|            1|=1+0.4      |             1.4
   2|            4|=A1*3       |             4.2
[表示形式] の定義を「 0 」に設定している場合、数式の計算結果が 1.4 のとき表示は 「 1 」となりますが、セルに格納されている値は 1.4 です。そのため、このセルの 値に 3 をかけた数値を求めると 4.2 となり、同じように [表示形式] の定義を
「 0 」に設定している場合は「 4 」と表示されます。[表示形式] の設定だけでは
「 1 × 3 = 4 」というような矛盾を生じることになります。
表示桁数の設定を [表示形式] で行なう場合は、数値を丸める機能を持つワーク
シート関数を使用して、計算結果を [表示形式] の設定に合わせた桁数になるよう
調整することで表の精度をあげることができます。特に、計算対象に小数点を
含む数値を使用している場合や計算結果が小数点以下の値を含むような場合は、
思わぬ計算結果を招かぬように注意する必要があります。
[表示形式] についての詳細は「ユーザーズ ガイド」 222 ページ「表示形式を
設定する」を参照してください。

2. 数値を丸めるワークシート関数

Excel 5.0 に用意されている数値を丸める機能を持つワークシート関数は次の通り
です。
各関数の機能と使用例は、オンライン リファレンスにまとめられています。[?]
  • [キーワードで検索] コマンドを実行し、[キーワード] ボックスへ目的の関数名
を入力するか、または [挿入] - [関数] コマンドを実行し、[関数ウィザード] から目的の関数を選択後 <ヘルプ> ボタンをクリックしてください。

1. ROUND 関数

数値を四捨五入して指定した桁数にします。
  =ROUND(数値,桁数)
引数 <桁数> では、数値を四捨五入した結果の桁数を指定します。
  [桁数] の指定    数値
  -----------------------------------------------------------------------------
  正の数           小数点以下で四捨五入され、小数点以下の桁数が [桁数] に等し
                   くなります
  ゼロ (0)         もっとも近い整数へ四捨五入されます
  負の数           整数部分で四捨五入されます
  <例>
  =ROUND(2.15,1)     計算結果は    2.2
  =ROUND(2.149,1)    計算結果は    2.1
  =ROUND(-1.475,2)   計算結果は   -1.48
  =ROUND(-1.475,0)   計算結果は   -1
  =ROUND(21.5,-1)    計算結果は   20
  =ROUND(A1/B1,1)    セル A1 の値をセル B1 の値で割った小数点第二位の値を
                     四捨五入します。

2. ROUNDUP 関数

数値を切り上げて指定した桁数にします。
  =ROUNDUP(数値,桁数)
引数 <桁数> では、数値を切り上げた結果の桁数を指定します。
  [桁数] の指定    数値
  ---------------------------------------------------------
  正の数           小数点以下の指定した桁に切り上げられます
  ゼロ (0)         もっとも近い整数に切り上げられます
  負の数           整数部分の指定した桁に切り上げられます
  <例>
  =ROUNDUP(3.2,0)          計算結果は      4
  =ROUNDUP(76.9,0)         計算結果は     77
  =ROUNDUP(3.14159,3)      計算結果は      3.142
  =ROUNDUP(-3.14159,1)     計算結果は     -3.2
  =ROUNDUP(31415.92654,-2) 計算結果は  31500
  =ROUNDUP(A1/B1,1)        A1 の値を B1 の値で割った小数点第二位の値を
                           切り上げます。

3. ROUNDDOWN 関数

数値を切り捨てて指定した桁数にします。
  =ROUNDDOWN(数値,桁数)
引数 <桁数> では、数値を切り捨てた結果の桁数を指定します。
  [桁数] の指定    数値
  ---------------------------------------------------------
  正の数           小数点以下の指定した桁に切り捨てられます
  ゼロ (0)         もっとも近い整数に切り捨てられます
  負の数           整数部分の指定した桁に切り捨てられます
  <例>
  =ROUNDDOWN(3.2,0)          計算結果は     3
  =ROUNDDOWN(76.9,0)         計算結果は    76
  =ROUNDDOWN(3.14159,3)      計算結果は     3.141
  =ROUNDDOWN(-3.14159,1)     計算結果は    -3.1
  =ROUNDDOWN(31415.92654,-2) 計算結果は 31400
  =ROUNDDOWN(A1/B1,1)        A1 の値を B1 の値で割った小数点第二位の値を
                             切り捨てます。

参考

なお、小数点以下の値を切り捨てる関数は、ROUNDDOWN 関数のほかに INT 関数、
TRUNC 関数があります。

4. INT 関数

数値を越えない最大の整数を返します。
  =INT(数値)
  <例>
  =INT(8.9)       計算結果は    8
  =INT(-8.9)      計算結果は   -9
  =A1-INT(A1)     セル A1 に入力されている正の実数の小数部分だけを返します。

5. TRUNC 関数

数値の小数部を切り捨てて、整数あるいは指定した桁数に変換します。
  =TRUNC(数値、桁数)

注意

TRUNC 関数と INT 関数は整数を返すという点で似ていますが、TRUNC 関数が [数値] の小数部を単純に切り捨てるのだけであるのに対して、INT 関数は [数値] の小数部 の値に基づいて、[数値] をもっとも近い整数に切り捨てます。INT 関数と TRUNC
関数の働きの違いは、[数値] が負の数であるときのみ現れます。
  <例>
  =TRUNC(8.9)     計算結果は    8
  =TRUNC(-8.9)    計算結果は   -8
  =TRUNC(PI())    計算結果は    3
  =INT(-8.9)      計算結果は   -9

6. その他の関数

以上に紹介した関数以外にも、数値を丸める機能を持つ CEILING 関数、FLOOR 関
数、EVEN 関数、ODD 関数などが Excel 5.0 に用意されています。各関数について
の詳細は、オンライン リファレンスを参照してください。

Keywords: KBHOWTO KB402253
Technology: kbExcel500 kbExcelSearch kbExcelWinSearch

inserted by FC2 system