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サポート技術情報

[XL]Excel 上のフォントが毛筆書体になる問題の回避策

文書番号: 401706

最終更新日: 1998/02/03


この資料は以下の製品について記述したものです。


この記事は、以前は次の ID で公開されていました: JP401706

概要

Excel 5.0 では、内部で使用されるフォントに標準明朝が使われます。ところが、
オプションでサードパーティより発売されている Microsoft(R) Windows(TM)
Version 3.1 (以下 Windows 3.1、もしくはバージョンに関りがないときには単
に Windows) 用フォントをインストールすると、これらのフォントが別のフォン
トに変わったり、表示が汚くなったり、まったく表示されなくなることがありま
す。本文書は、これらの原因とその対応策について紹介するものです。
この問題は大きく 2 つの原因が考えられます。
  • 標準明朝がインストールされていない
  • 市販のフォントが間違えて選択されている

標準明朝がインストールされていないケース

この問題は比較的簡単です。Windows 3.1 にはどのメーカーのものにも「標準明朝」 と「標準ゴシック」の 2 つの WIFE フォントがインストールされています。WIFE
フォントとは、日本語などの 2 バイトフォントを扱うための機構の 1 つである WIFE の仕様に基づいて作られたフォントです。Excel 5.0 はダイアログ ボックスや
ツールバーのスタイル ボックスやフォント ボックス、ワークシート見出しなど
のいろいろな箇所でこのフォントを使用しています。
このフォントがインストールされていない (削除されている) と、最も近いフォ
ントが選択され、代用されます。しかし「最も近い」とは言っても、お客様の環
境によってインストールされているフォントは異なる可能性がありますので、何
が表示されるかはわかりません。最もひどいケースでは、適当なフォントが見つ
からないときに、メニューなどで使われている System フォントが選択されると
きです。このフォントは 1 つのサイズしか持っていませんので、それより小さな
サイズや大きなサイズのフォントを要求すると、ソフトウェアでその大きさを作
りだすため、大変汚くなります。
標準明朝がインストールされているかどうかを確認するには、「コントロール
パネル」の「フォント」をダブルクリックして「フォントの設定」ダイアログ
ボックスを表示し、[組み込まれているフォント] リストボックスにそれがある
かどうかで行えます。もし削除されていたら、同じダイアログ ボックス内の
<追加> ボタンをクリックして [フォントの追加] ダイアログ ボックスを表示 し、[ドライブ] と [ディレクトリ] リスト ボックスで Windows 3.1 がインス
トールされているディレクトリの中にある System ディレクトリの中を指定して
ください。[フォントの選択] リストボックスに「標準明朝」があればこれを選択
し、<OK> ボタンをクリックすればインストールできます。もし無ければ状況は 複雑かもしれませんので Windows 3.1 を上書きでインストールしなおした方が
早いかもしれません。その後、Excel 5.0 を再起動させて現象が回避されたかど
うか確認してください。

市販のフォントが間違えて選択されているケース

この問題のときには、若干複雑になります。これは Excel 5.0 のフォントの選択
に対する柔軟性からくる問題です。まず、Windows 3.1 のフォントの選択のメカニ
ズムからごく簡単に紹介します。詳しくお知りになりたい方は専門の書籍を参照く
ださい。
Windows でフォントを表示させるには、Windows アプリケーションが Windows に
対して使用したいフォントを要求します。この要求はフォントの属性である数多く
のパラメータで指定します。これらをすべて指定すれば完全なフォントの指定が
行えますが、お客様が使われる環境やインストールされているフォントの種類は
まちまちですので、かなり省略して指定するのが一般的です。この指定でフォン
トが見つかれば問題は無いのですが、もし見つからなければまったく表示しない
か、インストールされているフォントで似ているものから強引に作成する方法が
あります。これらはアプリケーションのデザインに任されています。Microsoft
(R) Word for Windows(TM) Version 5.0 (以下 Word 5.0) のような印刷物のイ
メージが重要なアプリケーションでは、パラメータは比較的細かく指定してい
るのですが、Excel 5.0 はこの点でルーズな指定になっています。このため、
指定に適合するインストールされたフォントが複数存在することもでてきま
す。特に Microsoft(R) Excel for Windows(TM) Version 4.0 では発売当
初、フォント市場が小さかったために、よりルーズな指定しかしておりません
(この点 Excel 5.0 では Word 5.0 程ではないにしてもより厳しく指定して
います) 。
インストールされているフォントとそれを駆動するドライバは、WIFE 機構の制御
下に置かれ、WIFEMAN.INI の中に記述されます。Windows アプリケーションがフ
ォントを要求すると、WIFEMAN.INI に記述された順でフォント ドライバが検索/
決定され、その後同じく WIFEMAN.INI に記述された順でフォントが検索/決定さ
れます。つまり、複数のマッチするフォント ドライバおよびフォントがあったと
きには WIFEMAN.INI 内のフォント ドライバおよびフォントの順序によって最終
的に決定されるフォントが異なることになります。
以下は、WIFEMAN.INI の一例です。
  [CodeRanges]
  ShiftJIS=80(81,9f,e0,fc)
  [FontDrivers]
  JISフォントドライバー=C:\WIN31J\SYSTEM\JISFONTR.FOD
  [FontPackages]
  標準明朝 (all res)=JISSMR.FON,JISフォントドライバー
  標準ゴシック (all res)=JISSGR.FON,JISフォントドライバー
  [DefaultFont]
  PreCacheCharacters=取消再試行書込禁止読出共有違反準備
  FontDriver=GSYS16.FOD
  FontPackage=GSYSTAG.FON
  [EUDC_Environment]
  FontDriver=USERFONT.FOD
  FontPackage=USERFONT.FON
  [EUDC_Ranges]
  ShiftJIS=80(f0,f9)
この例は、マイクロソフト版の DOS/V 用 Windows 3.1 の標準的な一つの例で
す。[ ] で囲まれた名前から次の [ ] で囲まれた名前までを「セクション」と
呼びます。
上記の例では、
  [CodeRanges]
  ShiftJIS=80(81,9f,e0,fc)
が [CodeRenges] セクションと呼ぶことができます。
ここで注目するのは [FontDrivers] セクションと [FontPackages] セクションの 2
つです。名前の通り、[FontDrivers] には WIFE フォント ドライバが、
[FontPackages] セクションには WIFE フォントが定義されています。MS 明朝
やMS ゴシックは TrueType フォントですので、ここには記述されません。も
し、市販の WIFE フォントをインストールしたり、ジャストシステム社の一太郎
(R) Ver.5 for Windows のような WIFE フォントを用意しているアプリケーショ
ンをインストールすると、これらのセクションに追加されます (同じフォント ド
ライバを使用するフォントを追加したときには、[FontPackages] セクションだけ
にフォントが追加されます。
ここで注意が必要なのは、フォントが選択される順は、上からではなく、下からに
なるということです。下にあるほうが優先されることになります。
本来表示されるべきフォントでは無く、別のフォントが表示されるのは、この順序を 変えれば解決することがあります。以下、 WIFEMAN.INI の変更方法を紹介します。
以下にその手順を示します。
  1. 「メモ帳」を起動してください。
  2. [ファイル] - [開く] コマンドで、Windows のディレクトリにある WIFEMAN.INI を開いてください。
  3. [FontDrivers] と書かれた行の下に注目してください。Windows に標準でイ ンストールされているフォント ドライバの記述があります。この名前は Widnows を出荷しているメーカーによって異なります。まずこれを特定し てください。以下に主要 Windows の例を紹介します。
    • マイクロソフト版 (DOS/V 用、NEC PC-9801 用) : JISフォントドライバー=C:\WINDOWS\SYSTEM\JISFONTR.FOD
    • 日本電気版: FontAvenueドライバ=C:\WINDOWS\SYSTEM\AVENUE.FOD
    • 富士通版: デバイスフォントドライバー=C:\WINDOWS\SYSTEM\JISROM.FOD
    • 東芝版: JISフォントドライバー=C:\WINDOWS\SYSTEM\JISFONTR.FOD
  4. 次に、3. で特定した行をそのセクションの最下行に移動させます。これに は「メモ帳」の切り取りと貼り付けの機能を使います。具体的に説明します と、その行 1 行を選択します。[編集] - [切り取り] コマンドで 1 行まるご と切り取ります。次にそのセクションの一番下の行にカーソルを移動させ、 [編集] - [貼り付け] コマンドで貼り付けを行います。
  5. 同様に [FontPackages] セクションも書き換えます。このセクションには、 [FontDrivers] セクションで設定されているフォント ドライバがサポート するすべてのフォントがリストされています。しかし、この中で変更が必 要なのはどのメーカーの Windows であっても「標準明朝」と「標準ゴシ ック」で始まる 2 行です。以下に例を示します。
         標準明朝 (all res)=JISSMR.FON,JISフォントドライバー
         標準ゴシック (all res)=JISSGR.FON,JISフォントドライバー
    
    この 2 行をまとめて [FontPackages] セクションの最後に移動します。
  6. [FontDrivers] のときと同様に 4. で説明した方法を使って、5. で特定し た 2 行をそのセクションの最下行に移動させます。
  7. [ファイル] - [上書き保存] コマンドを実行後、[ファイル] - [メモ帳の終 了] コマンドでファイルの保管とメモ帳の終了を行います。
  8. Windows 3.1 を再起動させて、問題が回避されたかどうか確認してください。

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Technology: kbExcel500 kbExcelSearch kbExcelWinSearch

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