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サポート技術情報

[XL5]フロッピーディスクに保管されているファイルを扱う際の注意点

文書番号: 401701

最終更新日: 1998/02/12


この資料は以下の製品について記述したものです。


この記事は、以前は次の ID で公開されていました: JP401701

概要

本文書は、Excel 5.0 でフロッピー ディスクに保存されているファイルを読み込む
場合の注意についてまとめたものです。Excel 5.0 のヘルプには多くの情報が記述
されています。まず [?] - [製品サポート] コマンドを選択してください。この中
には、Excel をお使い頂く上でのご注意や Q&A 集など、オフィシャル ユーザー サポートからの情報が登録されています。
ここでは、その中に重複するものもありますが、書き漏れているもの、補足説明が
必要なものを用意しました。新しい情報が入りしだい、更新していきます。

ディスクの抜き差しによって発生するおそれのある問題点

[?] - [製品サポート] コマンドを選択しますと、ヘルプファイルが開かれます。
「製品サポートからのお知らせ」として「 Microsoft Excel Ver.5.0 をお使い頂く
上でのご注意」という項目があります。ここでは、Excel 5.0 をお使い頂く上で
参考にして頂きたいことや特にご注意いただきたいことについて、項目ごとに分
けて説明されています。「ファイルについて」では、フロッピー ディスクの
ファイルが開かれている状態でフロッピー ディスクの交換を行なうと警告
メッセージが表示される場合があると記述されています。
原則として、Excel 5.0 では作業中 (開かれている状態) のファイルが保管されて
いるディスクを抜き差しすることはできません。Excel 5.0 に限らず、多くのアプ
リケーションに共通する以下のような問題があるためです。
  1. データを読み出したディスクに作業用のテンポラリ ファイルを作成しているケース
  2. 共有/排他制御の機能を使用しているケース
  3. 自動保管機能を利用しているケース
  4. Windows 環境自体がディスクの抜き差しを認識できないケース

1. データを読み出したディスクに作業用のテンポラリ ファイルを作成しているケース

作業用のファイルはどのようなタイミングで作成されて、使用されているかがユー
ザーにはわかりません。作業用のファイルが使用されている時点でディスクが抜かれ ると作業用のテンポラリ ファイルが破壊されてしまうだけではなく、読み込み中の
作業対象であったファイルも破壊してしまう可能性があります。

2. 共有/排他制御の機能を使用しているケース

Microsoft(R) Windows(TM) (以下 Windows) のようなマルチタスクの環境や LAN
(Local Area Network) などでファイルを共有するときには、必要な処置です。
Excel 5.0 もこの制御を行っているため、あるファイルが読み込まれた後に、同じ
ファイルを他のタスクや他のワークステーションで読み込んだ場合も、書き込みはで きないようにしています (上書き禁止の状態で読み込まれます)。
また、Excel 5.0 で使用中のファイルをファイル マネージャなどで削除すること
ができないのは、このためです。そのようにしないと、複数のユーザーが同時に一つ のファイルをオープンして、書き込みをした場合に、後で書き込んだユーザーの作業 内容 (修正や追加) だけが有効になり、最初に書き込んだユーザーの作業内容はまっ たく反映されないということになってしまいます。

3. 自動保管機能を利用しているケース

使用中のファイルを自動的に保管する機能を使用している場合は、どのタイミング
でファイルが自動保管されるのかをユーザーは意識していません。しかし、書き込み を実行しているときに、ディスクを交換されてしまったような場合は、書き込みが中 断されてしまいます。また、書き込みが正常に終了していないファイルは、正常な
ファイルとは見なされなくなり、読み込むことができなくなる場合がほとんどです。

4. Windows 環境自体がディスクの抜き差しを認識できないケース

ハードウェアに依存する問題です。本来は、交換可能であるフロッピー ディスク
やリムーバブルのハードディスク (機械を分解せずにカートリッジとして交換するこ とのできるもの)、MO (光磁気ディスク) などのメディアが交換されるときは、それ
を OS (オペレーション システム) 側で認識することが望ましいのですが、それを行 なうことができない場合がほとんどであるということです。
そのため、上記のような取り外しが可能な媒体を使用している最中であっても、装
置のイジェクト ボタンを押してしまえば、取り外しをしてしまうことができます。
ファイルを保管しようとするときに、ディレクトリおよび FAT を同時に更新しま
す。しかし、読み込んだファイルが存在していた媒体が外されてしまっているような 状態では、メモリ上にあるファイルの情報と実際のディスク上の情報とが異なってい たとしても通常はそれを確認することができないときには、障害が発生します。
読み込みの際には、新しいディスクの内容を読めなくなったり、書き込みの際に
は、ディスクの内容を壊してしまうことがあります。特に後者は危険であり、最悪の 場合は、ディスク全体が使用不可能になってしまうこともあります。

ファイルの保管や運用についてのお勧め

上記のような理由のため、データの保管や運用は、ハードディスクで行なうことをお 勧めします。データの保管や運用にハードディスクを使用するメリットとして
は以下のようなものがあります。
  A. 容量
  B. 速度
  C. 信頼性
  D. 安全性

A. 容量

プログラムの機能が高くなると同時にファイルの容量も大きくなる傾向にあります
が、フロッピー ディスクの場合は、取り扱える容量に制約があります。ハードディ
スクの場合も使用可能な容量に依存しますが、通常は、フロッピー ディスクに比べ
て遥かに大きいファイルを取り扱うことが可能です。

B. 速度

フロッピー ディスクにあるファイルにアクセスしている場合は、データの読み書
き以外の処理のスピードも低下する場合があります。高性能のパソコンを使用してい ても、処理速度の遅い周辺装置を使用している場合には、全体の処理速度が低下して しまうことは事実です。本来の処理速度を確保するためには、ハードディスクの使用 が前提となります。

C. 信頼性

フロッピー ディスクの場合は、媒体と読み取り装置自体が接触することでデータ
の読み書きを行なっていますが、ハードディスクの場合は、媒体と読み取り装置は直 接接触をせずにデータの読み書きを行なっています。そのためアクセスのスピード自 体も高速になりますが、磨耗になどよる媒体の破損の確率はフロッピー ディスクよ
りも明らかに低いものです。

D. 安全性

カートリッジ型で取り外しが可能なリムーバブルのハードディスクなどでなけれ
ば、ファイルを使用中に媒体を外してしまうということはできません。そのため、
ファイルを使用中に過失などにより媒体が外されてしまうことによるファイルの破壊 は発生しないということになります。
フロッピー ディスクは、データのバックアップや他の機械とのデータの交換という
目的で使用する場合には有効なものですが、上記のようなことを考慮すると日常使
用するデータの保管と運用にはハードディスクが最善の選択であるということに
なります。
フロッピー ディスクの中のファイルを Excel 5.0 で読み込む場合は、あらかじ
めファイルをファイル マネージャなどでハードディスクの特定のディレクトリ
にコピーした後に読み込むようにしてください。処理速度を低下させないように
するためとファイルを使用中に過失によりフロッピー ディスクが抜き差しされて
しまうことでファイルが破損する危険を回避するためです。
2 枚のフロッピー ディスクの中にある別のファイルを Excel 5.0 で同時に読み込み たい場合もそれぞれのファイルをあらかじめファイル マネージャなどでハードデ
ィスクの特定のディレクトリにコピーした後に読み込むようにしてください。
片方のフロッピー ディスクのファイルを読み込んだ後で、[ファイル] - [名前を
付けて保存] コマンドでハードディスクの特定のディレクトリに保存した後に、
フロッピー ディスクを抜いて次のフロッピー ディスクをセットしてファイル
を読み込むという方法もありますが、安全性と処理効率を考えるとそれぞれの
ファイルをあらかじめハードディスクにコピーした後に読み込むようにする方が
適切です。
ハードウェアやソフトウェア環境に障害が発生してしまった場合に、プログラムを含 めた環境の再構築は、時間をかければ可能な作業です。しかし、データファイルが
事故などにより失われてしまった場合の損失は計算できないものがあります。処理
効率のためにもデータファイルの安全のためにもデータファイルの日常の運用は、
ハードディスクで行なうようにしてください。

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