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サポート技術情報

[XL]標準正規分布曲線(Standard Normal Distribution)グラフの作成

文書番号: 400244

最終更新日: 1997/10/21


この資料は以下の製品について記述したものです。


この記事は、以前は次の ID で公開されていました: JP400244

概要

本文書は、正規分布の代表的な分布である標準正規分布曲線グラフを Excel 5.0
を使って作成する方法をまとめています。

詳細

1. 標準正規分布曲線とは

連続分布の中で最もよく現れる代表的なものは正規分布 (Normal Distoribution)
です。正規分布は様々な数多くの現象に対してあてはまり、統計学においてとて
も重要な分布です。分布曲線は正規分布に限らず数多く存在しますが、なかでも
この正規分布は分布の基本といえます。
正規分布は平均値と分散 (標準偏差^2) によって完全に決定される分布です。平均
値と分散が正規分布を決定するパラメータになります。このことより、正規分布を
N (平均値 , 分散) と表記することがあります。
正規分布 N (平均値 , 分散) に従う x を基準値 (標準変化量) に変換するとその
分布は N(0,1) という分布に従います。
基準値 = (x - 平均値) / 標準偏差
この N(0,1) を標準正規分布 (Standard normal distribution) といいます。

2. [分析ツール] のセットアップ

本文書で紹介している一部の関数を利用するためには、お使いの Excel 5.0 に
[分析ツール] アドインをセットアップする必要があります。[ツール] メニュー
に [分析ツール] コマンドが含まれていない場合には、[ツール] - [アドイン
マネージャ] コマンドを実行し、[分析ツール] チェック ボックスをオン (×が
付いている状態) にして <OK> ボタンをクリックしてください。
また、[アドイン マネージャ] の「登録アドイン一覧」に [分析ツール] チ
ェック ボックスが含まれていない場合には、ハードディスクに必要なアド
イン ファイルを追加する必要があります。詳細は、オンライン ヘルプ
「 Excel のオプションを組み込むには」を参照してください。

3. 正規分布曲線の公式と Excel 5.0 での数式

グラフはワークシートのデータを視覚的に表示したものです。Excel 5.0 で
グラフを作成する場合、グラフの基となるデータをワークシートに入力する
必要があります。正規分布曲線グラフを作成するには、あらかじめ必要なデ
ータをワークシートで計算します。
本文書で紹介している各関数についての詳細は、オンライン ヘルプを参照してく
ださい。また、それぞれの計算数式の化学的原理や用語については、市販の専門
書などを参照してください。

3-1 正規分布曲線

(1) 公式

[GRAPHIC: ]

(2) 数式

(1) の公式をあてはめて Excel 5.0 で計算するには、次の数式を使用します。
=1/(標準偏差*SQRTPI(2))*EXP((-1)*((x-平均値^2)/(2*(標準偏差^2))))
この数式を使って正規分布曲線に必要なデータを計算することができます。
  • 参考: 標準偏差を求めるには、ワークシート関数である STDEV 関数、平均を求め るには、AVERAGE 関数を使用します。

3-2 標準正規分布曲線

例として、平均 0、標準偏差 1 の標準正規分布 N(0,12) の値を求めます。

(1) 公式

「 3-1 正規分布曲線」の公式に「平均 0 」、「標準偏差 1 」を代入しています。
[GRAPHIC: ]

(2) 数式

(1) の公式をあてはめて Excel 5.0 で計算するには、次の数式を使用します。
=1/SQRTPI(2)*EXP((-1)*(x^2/2))
この数式を使って標準正規分布曲線に必要なデータを計算することができます。
  • 備考: ここでは N(0,1) を例にとって計算していますが、公式 (正規分布の公式) に 平均値や標準偏差の値をあてはめることによって、N(0,2 )、N(2,1) といった 計算をすることもできます。

4. 標準正規分布曲線グラフの作成方法

4-1 標準正規分布曲線の基となるデータの作成

数式を使って、標準正規分布曲線グラフの作成に必要な値を求める方法は次
の通りです。
<手順 (例)>
  1. [ファイル] - [新規作成] コマンドを実行して新しいブックを作成します。
  2. X 軸の値を入力します。 セル A1 に数値「-4 」を入力します。 正規分布の性質より区間 [平均値 -3 × 標準偏差 , 平均値 +3 × 標準偏差] に約 99.7 %のデータが入ります。理論上 -3 から 3 の区間に 99.7% のデー タが入ることになります。ゆえに曲線を作成する際のデータとして余裕をみ た値で計算を始めます。
  3. セル A1 が選択された状態で [編集] - [フィル] - [連続データ作成] サブ コマンドを実行します。
  4. [連続データ] ダイアログ ボックスの設定を次のようにし、<OK> ボタンを クリックします。
         [設定範囲] グループ       [列] オプションを選択
         [タイプ] グループ         [加算] オプションを選択
         [増分] ボックス           「 0.1 」を入力
         [停止値] ボックス         「 4 」を入力
    
    この操作によって、セル範囲 A1:A81 にデータが自動的に入力されます。[増 分] ボックスの値を小さくし、より細かいデータを作成することによって、 グラフの要素と要素の間隔が狭くなり、より滑らかなグラフを作成すること ができます。
  5. セル B1 に数式「=1/SQRTPI(2)*EXP((-1)*(A1^2/2)) 」を入力します。
  6. セル B1 の数式をセル範囲 B2:B81 にコピーします。 [GRAPHIC: ]

4-2 標準正規分布曲線グラフの作成

「 4-1 標準正規分布曲線の基となるデータの作成」で求めた値から標準正規
分布曲線グラフを作成する方法は次の通りです。
<手順>
  1. セル範囲 A1:B81 を選択します。
  2. [挿入] - [グラフ] [新規グラフ シート] サブコマンドを実行します。
  3. [グラフ ウィザード] が表示されますので、それぞれのステップで次の ように設定します。
         ステップ     設定                                   操作
         --------------------------------------------------------------------
            1/5       [範囲] =$A$1:$B$81             <次へ>> ボタンをクリック
            2/5       [作成するグラフの種類] 散布図  <次へ>> ボタンをクリック
            3/5       [散布図のフォーマット] (6)     <完了> ボタンをクリック
    
    ステップ 2/5 [作成するグラフの種類] で [折れ線] を選択した場合でも表示 はほぼ [散布図] と同じですが、ここでは X 軸が数値として設定される [散布 図] を選択しています。
  4. 新規グラフ シートに標準正規曲線グラフが作成されます。 [GRAPHIC: ]
グラフの軸や目盛線の書式設定を変更するなど、グラフの操作ついての詳細は、 「ユーザーズ ガイド」 335 ページ 「グラフの書式設定」などを参照してください。

Keywords: KBHOWTO KB400244
Technology: kbExcel500 kbExcelSearch kbExcelWinSearch

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