[MSVC] Visual C++ 1.5 の README.WRI(4/8)

概要

この資料は、Visual C++ 1.5 に添付されている README.WRI の以下の章を抜粋した
ものです。
第 6 章 CodeView

第 6 章 CodeView

Windows NT 上での CodeView for Windows の実行

CodeView for Windows は Windows NT 上での動作は保証しておりません。実行した
場合予測できない障害が発生する場合があります。Windows NT 上でのデバッグ
には Visual Workbench のデバッグ機能をご利用ください。

MS-DOS シェルからの 32 ビット MS-DOS 拡張ツールの実行

CodeView の MS-DOS シェルからは 32 ビット対応の MS-DOS 拡張ツールは実行
できません。

2 つのデバッガの同時実行

2 つ以上のデバッガを同時に実行することはできません。たとえば CVW 上で
アプリケーションを実行中に CodeView for MS-DOS や Visual Workbench デ
バッガを起動することはできません。

Windows 終了プロシージャへのブレークポイントの設定

Windows 終了プロシージャ (WEP) にはブレークポイントを設定できません。設
定した場合はシステムの動作が不安定になります。

DPMI 上で実行中の CodeView for MS-DOS による INT 2 のステップ オーバー

(Windows の MS-DOS ボックスのような) DPMI サーバー上で実行中の CodeView
for MS-DOS を使って INT 2 (Non-Maskable Interrupt) をステップ オーバー
した場合、実行中に命令ポインタ (IP) が各マシン語命令の先頭を正しく指せ
ないために、予測できない障害が発生する場合があります。

複数のモジュールを同じ名前でオープンする

同一の実行可能ファイル (.exe) 内の 2 個以上のモジュールが同一のファイル
名と拡張子を持つ場合は、各モジュールはばらばらにロードする前に異なるパス
でコンパイルされる必要があります。例えば TEST.C という同名のモジュールは、
次のようにしても区別されません。

  cl /Od /Zi test.c
  cd testdir
  cl /Od /Zi test.c ..\test.obj

これを区別するには、次のように記述する必要があります。

  cl /Od /Zi test.c testdir\test.c

CVW における Dr. Watson の利用

Dr. Watson (DRWATSON.EXE) は、デバッグ対象のアプリケーションの実行中に発生
した例外を CVW に渡します。ただし、フォールトの原因となった命令をステップ
実行しているときに発生した例外については、CVW に渡しません。例外を発生した
命令をステップ実行する代わりに、Go コマンド (F5) を実行してください。Dr.
Watson は例外をトラップしてこれを CVW に渡します。

各社のビデオ カードの利用 (NEC マシンの場合)

ビデオ カードに、カノープス (株) 製の Power Window、(株) アイ・オー・データ
機器製の GA-1024A および GA-1280A、(株) メルコ製の WAB-S を使っている場合、
以下のドライバ プログラムを Windows の起動の前に実行しておく必要があります。

  カノープス       powerwin.exe
                   cvwpw.exe (928II, 928G, 801G, 928, 801 用)
  I/O データ       ga1024a.exe
  メルコ           wabs.exe
                   cvwwab.exe (WAB-S, WAB-1000, WAB-2000, WSR-E 用)

なお、I/O データ製のビデオカードの場合、gawin.bat というバッチ ファイル
から Windows を起動していますが、このファイルを編集して、gainit という
初期化プログラムの次に ga1024a.exe を起動するようにして下さい。また、
ga1024a.exe で GA-1024A および GA-1280A をサポートしています。
これらのドライバ をインストールせずに Windows を起動した場合、シングル
モニタでは， CVW の画面が表示されません。また、ツーモニターでは，/2 を
指定しても正常に機能しません。

S3 ベースのビデオ カードの利用 (DOSV マシンの場合)

S3 チップ セットを使ったビデオ カード (Orchid Fahrenheit 1280 など) を
装備したコンピュータ上で実行していた CodeView を終了した後は、カーソルの
色が変化していることがあります。これはハードウェアの互換性がないのが原因で、 正しい色に戻すには MS-DOS のコマンド MODE co80 を使います。

CVW での I コマンド

Visual C++ 1.5 に添付されている CodeView for Windows では、コマンド ウィン
ドウで I コマンドを実行しても全く機能しません。また、他に与える影響もあり
ません。 これは、Windows では基本的に直接ポートへアクセスすることが出来な
いことが原因です。このため CodeView for Windows 上から I コマンドは使用
出来なくなっています。

CodeView for MS-DOS でのマウスの使用

CodeView for MS-DOS でマウスを使用するためにはあらかじめ MOUSE.COM を常駐
しておく必要があります。
NEC マシンの Windows 3.1 上でご利用の場合は、MOUSE.COM バージョン 7.x を
お使いください。