昭和63年2月15日
日本アイ・ビー・エム㈱

新世代ワークステーション機能をさらに拡張
OS/2の機能強化

　日本アイ・ビー・エム株式会社（椎名武雄社長）は、15日、IBMパーソナルシステム/55(TM)、IBMパーソナルシステム/2(TM)（英文仕様）で稼働する最新のOS（オペレーティング・システム）であるOS/2をそれぞれ機能強化し、「IBMオペレーティング・システム/2(TM)基本版 バージョン J1.1」（PS/55用）と「IBMオペレーティング・システム/2(TM) Extended Edition 1.0」（PS/2用）を発表しました。

　IBMは昨年、ますます多様化、複雑化するパーソナル・コンピューティングの世界に、システムとしての対応を、より的確に一貫して行えるハードウェアとしてPS/55とPS/2を発表し、この拡張されたハードウェアの処理能力をユーザーが容易に引き出し、使いこなすための新世代OSとしてOS/2を発表しました。これら製品は、同時に複数の業務を処理するほか、より大きなメモリーの利用を可能にし、オフィス業務を強力に支援します。また、パソコンから大型システムまでハードウェアやOSが変わっても適用業務プログラムを共通に開発・利用するためSAA（システム・アプリケーション体系）を発表しましたが、OS/2は、SAAに対応するソフトウェアです。

　今回の「IBMオペレーティング・システム/2 基本版 バージョン J1.1」の発表により、操作性の向上と大容量データへのアクセスを可能にし、また、「IBMオペレーティング・システム/2 Extended Edition 1.0」の発表により、IBMがもつ通信やデータベースなどの独自の機能をパソコンの世界に取り込めます。

　「IBMオペレーティング・システム/2 基本版 バージョン J1.1」が提供する機能は、このOSの核（カーネル）となる「IBMオペレーティング・システム/2 バージョン J1.0」（昨年5月発表）の同時並行処理機能（マルチタスク）や最大16メガ・バイトのメモリー・アクセス機能に加え、様々な操作性を向上させる次の機能を提供します。

1. 操作性を向上させる様々なインターフェースを提供するプレゼンテーション・マネージャー
• ウィンドー機能：複数の適用業務の画面を同一画面上に表示できます。
• グラフィックス機能：グラフィックやイメージの表示を可能にします。
• ユーザー・シェル：適用業務プログラムの起動やウィンドーの大きさや位置の変更などを制御する機能を提供します。
2. ハードディスク上の大容量データ・アクセス
   23メガ・バイト以下というハード・ディスクの区画の制限をなくし、各ハード・ディスクの容量に応じて、大容量データを有効利用できます。
3. システム・エディター
   編集機能の操作性を向上させ、かつ、初心者でも簡単に編集作業が行えるように、必要な操作をメニュー型式で選択できます。
   稼働するハードウェアは、IBMパーソナルシステム/55 モデル5540/5550/5560/5570です。

　「IBMオペレーティング・システム/2 Extended Edition 1.0」が提供する機能は、「IBMオペレーティング・システム/2 Standard Edition 1.0」（昨年4月発表）の同時並行処理機能などに加え、IBMの様々な通信およびデータベース機能を提供します。

1. Communications Manager
   IBMが提供する様々な通信手順を提供します。これによりホスト・システムとのオンラインやパソコン通信などを同時に実行できます。
2. Database Manager
   ホスト・システムのリレーショナル・データベース（DB2、SQL/DS）の操作性をパソコンの環境に取り込みます。

　稼働するハードウェアは、IBMパーソナルシステム/2 モデル50/60/80とIBMパーソナルコンピューターATです。

　「IBMオペレーティング・システム/2 基本版 バージョン J1.1」の価格、出荷時期は、本年12月までに発表いたします。また、「IBMオペレーティング・システム/2 Extended Edition 1.0」の価格は、156,500円で、出荷時期は本年7月です。