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昭和58年3月15日

高性能、多機能の超小型システムを発表

 日本アイ・ビー・エム株式会社(椎名武雄社長)は、15日、日本語処理のできる高性能・多機能の超小型システム、IBMマルチステーション5550を発表しました。

 このIBMマルチステーション5550は、同時に発表の一連のソフトウェアを使い分けることによって、1台で、通信機能を持つ高性能な日本語ビジネス・パーソナル・コンピューター、豊富な辞書と多彩な編集・印刷機能を持つ日本語ワードプロセッサー、さらにIBM3270漢字情報システムと同様に扱える日本語オンライン端末として簡単に活用できるように設計、開発されたシステムです。

 たとえば、IBM5550を日本語ビジネス・パーソナル・コンピューターとして使う場合、コンピューターの知識や経験のほとんどない人でも、作表、集計、グラフ作成、ファイル管理・検索などを対話形式で行える簡易ソフトを使って、速やかに実務の処理ができるようになります。会計、買掛、売掛、在庫、受注・売上などの業務にも対応できます。パーソナル・コンピューターの共通言語とも言えるBASICや高級プログラミング言語のCOBOL、FORTRAN、Pascalのほかに、マクロ・アセンブラーも使えます。

 マルチステーション5550のハードウェアは、高速処理(8メガ・ヘルツ)の16ビット・マイクロプロセッサー、大容量メモリー(256K〜512Kバイト)、外部記憶機構(ディスケットまたはハード・ディスク)等をひとつにまとめたシステム・ユニットを中心に、高解像度のディスプレイ(1文字16×16または24×24ドット)、鮮明で高速印字(漢字で最高毎秒60字)のできるプリンター、JISひらがな配列のキーボードで構成されます。将来の業務拡大などに柔軟に対応できるよう、各機器には複数のモデルと各種のオプションが用意されています。また、長時間の使用時、疲労が少なくて済むように人間工学に基づく設計・配慮が施されています。

 IBMマルチステーション5550は、IBMの一貫した基本思想のもとに、日本アイ・ビー・エム藤沢研究所で設計、開発されたシステムで、日本アイ・ビー・エムとその特約店(40社)で発売します。出荷開始は本年(昭和58年)6月からの予定です。(ただし、ハード・ディスク・システムとカラー・ディスプレイは本年12月の予定です。)

 5550のシステムの販売価格は、システム・ユニット(256Kバイトのメモリー、640Kバイトのディスケット・ドライブ1つ)、ディスプレイ(1文字16×16ドット表示の12インチ、モノクローム型)、プリンター(1文字16×16ドット印字)、キーボードの最小構成で、約99万円です。

 システム・ユニット(512Kバイトのメモリー、8.1Mバイトのハード・ディスク、640Kバイトのディスケット・ドライブ1つ)、ディスプレイ(1文字24×24ドット表示の15インチ、モノクローム型)、プリンター(1文字24×24ドット印字)、キーボードの最大構成で、約305万円です。

 ソフトウェアについては、ビジネス・パーソナル・コンピューターとして使うための日本語DOS/BASICインタープリター/フォント16(JIS第一水準文字セットを含む)が約3万円、簡易ソフトは約4万円からです。

 日本語ワードプロセッサーとして使う場合に必要なソフトウェアは約12万5,000円から、日本語オンライン端末として働かせるソフトウェアは約6万円です。

 IBMマルチステーション5550には、1年間の保守サービスが付きます。期間中と期間経過後の保守サービスは、5557型プリンターを除き、基本的には、国内各地のIBMサービス・センターで行い、その取り次ぎは特約店でも行います。

<補足資料1>

IBM5550ハードウェア概要

システム・ユニット

 16ビット・マイクロプロセッサー(8MHz=メガヘルツ)を搭載。メモリーは256Kバイトを標準装備し、128Kバイトずつ最大512Kバイトまで拡張できます。外部記憶装置機構には、ディスケットまたはハード・ディスクのいずれかを使用。ディスケットは5 1/4インチ サイズで両面倍密度、倍トラックを使用、容量は640Kバイト。最大で3つのディスケット・ドライブが実装できます。ハード・ディスクの容量は8.1メガ・バイトで、同ディスクのモデルにはディスケット・ドライブも標準で1つ付いています。さらにオプションとして、メモリー拡張のための128Kバイト記憶アダプター(最大2)、SDLC/BSC通信アダプター、非同期通信アダプター、磁気ストライプ読取機構アダプターを簡単に取り付けることができます。
 機器上問題が生じた場合、その問題の所在、原因を調べる問題判別機能も備えています。

ディスプレイ

 黄緑色のモノクロームの12インチと15インチ、カラーの14インチの3種類。漢字の場合1,024文字(41字×25行)、英数カナ文字の場合2,048文字(82字×25行)の表示ができます。
 長残光蛍光体を使用しており、眼の疲れを防ぐよう設計されています。

 ディスプレイの解像度、文字フォント等は次の通りです。

    12インチ
(モノクロ)
15インチ
(モノクロ)
14インチ
(カラー)
解像度 グラフィック・モード 720×512 1,024×768 720×512(モノクロ)
360×512(カラー)
文字フォント 漢字 16×16 24×24 16×16
英数カナ文字 8×16 12×24 8×16
スクリーン表面   反射防止処理 無反射コーティング 反射防止処理
偏向角   90度 110度 90度

 オプションとしてディスプレイを見やすい高さと角度に調整できる専用の台があります。

プリンター

 ワイヤー・ドット・マトリクス方式で、両方向からの印字ができます。モデルとしては16×16ドット印字の5553-A01型、24×24ドットの5553-B01型、さらに24×24ドットの印字で高速な単票挿入機構と連続用紙送り機構が標準装備された5557-B01型の3種類が用意されています。

  印字速度は次の通りです。

    5553-A01 5553-B01 5557-B01
書体
グラフィック・モード ゴシック体 明朝体 明朝体
印字速度 漢字(6.7文字/インチの場合) 60字/秒 40字/秒 50字/秒
英数カナ文字(13.4文字/インチの場合) 120字/秒 80字/秒 100字/秒

 共通のオプションとして5mのプリンター・ケーブルがあります。5553プリンター用のオプションとしては、カット用紙約200枚を収容できる自動給紙機構、単票挿入機構、連続用紙送り機構、などがあります。

キーボード

 多目的な用途に対応できるよう設計されている軽量、コンパクトなもの。キーは、テン・キー、データ・キー、ファンクション・キーで構成され、JISひらがな配列に準拠しています。

 また、音によって正確なキー動作を知らせるためのスピーカーが内蔵されていて、音量の調節もできます。用途により、2種類のキーボードのいずれかを選ぶことができます。

<補足資料2>

ソフトウェアで1台"3役" - IBM5550

 IBMマルチステーション5550は、5 1/4インチ・サイズのディスケットに収められたIBMライセンス・プログラムによって、次のような3つの用途があります。

(1) 日本語ビジネス・パーソナル・コンピューターとして

 会計や在庫業務のような複雑な業務を処理するために、本格的な日本語DOS(ディスク・オペレーティング・システム)を採用。
 かなで入力された文字はDOSの辞書/フォントによって漢字に変換され、表示、印刷されます。変換は漢字一文字ずつですが、読みを続けて入力しておいて一度に漢字へ変換することもできます。標準でJIS第一水準の漢字を含む3,418文字がサポートされます。拡張文字セットを併用すると、7,190文字まで処理できます。また、日本語DOSには、入出力管理、ファイル管理、エラー処理などの機能も備わっています。
 業務の処理に関しては、コンピューターの知識や経験のほとんどない人でも簡単に計算、作表、グラフ作成、ファイル管理・検索などができる簡易ソフトのMultiplan、Multitool Chart、Multitool Fileが使えます。さらに、会計、買掛、売掛、在庫、受注・売上げなど実際の業務に即した適用業務プログラム・パッケージも用意されます。プログラミングが必要な場合、パーソナル・コンピューターの共通的言語であるBASIC(コンパイラー、インタープリターの両者)に加えて、COBOL、FORTRAN、Pascalなどの高級プログラミング言語、さらにマクロ・アセンブラーが利用できます。
 ホスト・コンピューターとの通信のためにIBM3741通信ユーティリティー、IBMのSNA/SDLC3770RJEユーティリティーといったプログラムも用意されています。

(2) 日本語ワードプロセッサーとして

 文法解析能力と学習機能、整備された辞書によって、文節単位で入力した日本語かな文章は、漢字まじり文に変換されます。
 これは、接頭・接尾語、活用形、付属語分析などの高度な文法解析能力によるものです。さらに、文節の区切りについては、操作者に合わせ対応できる柔軟性を持っています。
 また、別読み・複合語の学習機能を持ち、自動的に辞書の一部が更新され、使い込むに従って、かな漢字変換の確率はより高いものになります。
 句読点、カッコ、英数字を含む複数文節の変換や、アラビア数字から漢数字への変換機能によって、一段と容易に日本語文章の入力ができます。

 編集・印刷に当たっては、メニュー方式によって、操作手順や指示が表示されるので、置き換え、差し込み、切り貼り、組み込みなど高度な機能も簡単に利用できます。
 JIS第一、第二水準を含む7,190文字までのIBM基本文字セットが扱え、辞書は約4万語を取り扱えます。

(3) 日本語オンライン端末として

 専用のソフトウェアを使うことによって、現在、IBMのSNA/SDLCのもとで広く使われているIBM3270漢字情報システムと同様の端末装置としての機能を持つことができ、対話型の端末装置として利用できます。接続できるホスト・コンピューターは、システム/370と4300、303X、308Xプロセッサー、8100情報システムです。

ハードウェア一覧

システム・ユニット(5551型、標準256Kバイト) 価格(概算) 利用可能時
 ディスケット・ベース・システム(ディスケット・ドライブ1つ)
  モノクロ(16x16ドット表示用) 61万4,000円 昭和58年6月
  モノクロ(24x24ドット表示用) 77万5,000円 6月
  カラー(16x16ドット表示用) 62万5,000円 6月
 ハード・ディスク・ベース・システム(ディスケット・ドライブ1つ付き)
  モノクロ(16x16ドット表示用) 113万9,000円 12月
  モノクロ(24x24ドット表示用) 130万円 12月
  カラー(16x16ドット表示用) 115万円 12月
 オプション
  オプション取り付け箱 3万円 6月
  128Kバイト記憶アダプター 9万円 6月
  ディスケット・ドライブ 10万円 6月
  SDLC/BSC通信アダプター 10万円 9月
  非同期通信アダプター 6万円 6月
  磁気ストライプ読取機構アダプター 7万5,000円 10月
ディスプレイ(5555型)
  12インチ・モノクローム 6万円 6月
  14インチ・カラー 21万9,000円 12月
  15インチ・モノクローム 14万5,000円 6月
 オプション    
  表示装置台 7,000円 6月
プリンター
  5553-A01型 26万9,000円 6月
  5553-B01型 31万5,000円 6月
  5557-B01型 135万円 10月
 オプション
  印刷装置ケーブル(5m) 1万6,000円 6月
  自動給紙機構(5553) 14万円 6月
  自動給紙機構(5553) 8万5,000円 6月
  連続用紙送り機構(5553) 2万円 6月
キーボード
 Ⅰ型(標準タイプ) 4万8,000円 6月
 Ⅱ型(オンライン端末のオプションとして) 4万8,000円 10月

ソフトウェア一覧

日本語ビジネス・パーソナル・コンピューターとして 価格(概算) 利用可能時
日本語DOS/BASICインタープリター/フォント16
(JIS第一水準文字セットを含む)
3万円 昭和58年6月
同上/フォント24
(JIS第一水準文字セットを含む)
3万円 6月
フォント16(IBM拡張文字セット)
(JIS第一、第二水準を含む)
2万円 6月
フォント24(IBM拡張文字セット)
(JIS第一、第二水準を含む)
2万円 6月
マクロ・アセンブラー 3万円 6月
BASICコンパイラー 6万円 10月
COBOLコンパイラー 15万円 10月
FORTRANコンパイラー 8万円 6月
Pascalコンパイラー 6万円 6月
Multiplan*(作表、自動用計算) 4万円 6月
Multitool Chart*(グラフ作成) 4万円 12月
Multitool File*(ファイル管理・検索) 5万円 12月
分類組み合わせプログラム 5万円 9月
BSC 3741 通信ユーティリティー 3万8,000円 10月
SNA/SDLC 3770 RJEユーティリティー 3万円 10月
日本語ワード・プロセッサーとして
文書プログラム    
辞書/フォント16(拡張文字セット) 2万5,000円 6月
辞書/フォント24(基本文字セット) 2万5,000円 6月
フォント24(拡張文字セット) 2万円 6月
日本語オンライン端末として
3270漢字エミュレーション/フォント16
(拡張文字セット)Ⅰ・Ⅱ
6万円 9月
3270漢字エミュレーション/フォント24
(拡張文字セット)Ⅰ・Ⅱ
6万円 9月

 (*印は、米国マイクロ・ソフト社の商標です。)

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