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日本アイ・ビー・エム株式会社
昭和57年3月12日

IBM3380磁気ディスク装置の出荷を開始

 日本アイ・ビー・エム株式会社(椎名武雄社長)は、12日、同社藤沢工場(神奈川県藤沢市)で製造を進めてきたIBM3380磁気ディスク装置の出荷を開始したと発表しました。
 IBM3380磁気ディスク装置は、磁気ディスクへのデータの書き込みと記録されたデータの読み出しを行うヘッドに、半導体プロセスで製造された薄膜ヘッド技術を採り入れた補助記憶装置で、記憶容量=25億2,000万バイト、データ転送速度=3メガ・バイト/秒、平均アクセス時間=16ミリ秒とIBMの磁気ディスク装置では最も高性能のものです。
 本日、藤沢工場から出荷の同装置は、新日本製鐵株式会社・君津製鐵所に設置されます。同装置は、これまでに、千代田化工建設株式会社等に導入・設置されています。

〈補足資料〉

IBM3380磁気ディスク装置

 昭和55年6月に発表のIBM3380磁気ディスク装置は、新しい薄膜ヘッド技術により、1台で最大25億2,000万バイトの情報を記憶し、3メガ・バイト/秒の速度でデータの読み書きができます。
 IBM3380は、1950年代の半ばに登場した最初の磁気ディスク装置、IBM305RAMACと比べて、6,000倍の記憶密度と37倍のデータ転送速度を1文字当たり150分の1のコストで実現したものです。
 IBM3380は、コンパクトな設計と新しい薄膜ヘッド技術が特徴で、これにより、同一容量のIBM3350磁気ディスク装置と比べて、消費電力は約70%、発熱量は約75%低減しています。3380磁気ディスクには、2つのHDA(ヘッド・ディスク・アセンブリー)が組み込まれており、それぞれに読み書きヘッド、磁気ディスクおよび2つのアクチュエーター(ヘッド駆動機構)が、信頼性と効率を上げるために統合されています。
 3380磁気ディスク装置には、動的経路選択機能を持たせたモデルがあります。このモデルを使うと、3880磁気ディスク制御装置との間のデータ経路が2重化できることになり、データへの同時並行アクセスが可能となります。万一、チャネル、記憶ディレクター、または制御装置の故障により片方がアクセスできない場合でも、もう一方の経路利用により使用可能度を向上させることができます。

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