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IBM3033MP(多重プロセッサー)

 日本アイ・ビー・エム株式会社(稲垣早苗会長)は、2日、同社のシステムの中で最高位の性能を持つ、IBM3033MP(多重プロセッサー)を発表した。大規模/高度なデータ・ベース/データ・コミュニケーションや対話型計算システムなどの適用業務は、この新製品、IBM3033MPの大容量と演算処理能力の向上により一層効率よく処理されるようになる。
 高性能IBM3033プロセッサー2台を緊密に結合したIBM3033MPは、単一プロセッサーと比較して2倍の主記憶容量と1.6〜1.8倍の内部処理速度を大型システム・ユーザーに提供する。
 一方のプロセッサーあるいはその一部分がテストや保守作業のために使用を停止するような場合には、他方のプロセッサーがシステムの作業負荷の大部分をサポートできるため、ユーザーは重要なアプリケーションや24時間稼働のアプリケーションを続行することができる。
 また、MPの能力を必要としない場合には、2台のプロセッサーはそれぞれ単独のシステムとして機能できるため、ユーザーに運営面での柔軟性と価格性能比の向上をもたらしている。

システム・ハイライト

 IBM3033MPは2台のIBM3033処理装置、2台のIBM3037電力・冷却水配分装置、2台のIBM3036操作卓、およびIBM3038MCU(多重プロセッサー連絡装置)からなる。2台の処理装置は、それぞれ最高8メガバイトの主記憶機構と高速のデータ転送を可能にする高速緩衝記憶機構(ハイスピード・バッファー)を持っている。また、標準機構として、それぞれに12個のチャネルが内蔵されており、選択機構の4個のチャネルを含めるとMPでは最高32個のチャネルが使用可能である。
 IBM3033プロセッサーの同MPへのグレード・アップは、設置場所で行える。

プログラミング・サポート

 IBM3033MPの多重処理は、最高位のオペレーティング・システムであるOS/VS2 MVS(多重仮想記憶システム)により効率よく管理される。
 システム/370拡張機構は、IBM3033MPの標準機構であり、プログラム・プロダクトMVS/SE(システム拡張)のサポートによりシステムの性能を一層向上させる。
 IBM3033MPを2台の単独のプロセッサーとして使用する場合には、単一のプロセッサーで使用するプログラムをそのまま使用することができる。

価格・客先向け初出荷・製造工場

 IBM3033MPの価格は次の通り。
 8メガバイトのIBM3033MPとこれに必要なIBM3038MCU(多重プロセッサー連絡装置)、2台のIBM3036操作卓、2台のIBM3037電力・冷却水配分装置を含めたTLP(定期リース方式)による月額使用料金は約4,470万円。また16メガバイトのIBM3033MPで構成した場合のTLPによる月額使用料金は約5,280万円。
 標準月額レンタル料金は同様の構成で約4,920万円から約5,810万円。買い取り価格では約20億7,600万円から約23億3,500万円。
 客先向け初出荷は1979年第4四半期を予定している。
 IBM3033MPは米国ニューヨーク州ポーケプシーのIBMシステム・プロダクツ部門で開発され、日本アイ・ビー・エムの野洲工場、米国IBMのポーケプシー工場で製造される。

写真 IBM3033MP(付加プロセッサー)(※入力者注:誤表記は原文ママ)

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