QEMM 8J

QEMM 8J
種類メモリ管理ユーティリティ
必要環境
  • Intel 80386以上を搭載するPC/AT互換機
  • 1.5MB以上のメモリ
  • IBM DOS バージョン J5.0/V以上
    (Windows用プログラムを使用するにはWindows 3.1または95が必要。)
  • 3.5インチFDD
  • ハードディスク空き容量 5MB以上
価格14,800円
JAN?
発売年1996年
メーカー ソフトバンク株式会社(STIサービスセンター) / Quarterdeck Corporation
内容物
  • フロッピーディスク 3.5インチ 2HD(1.44MB) 3枚
  • ユーザーズマニュアル
  • ユーザー登録カード
写真 Image: QEMM 8J パッケージ表 Image: QEMM 8J パッケージ裏

 米国Quarterdeck社のメモリ管理ソフト"QEMM"(Quarterdeck Expanded Memory Manager)の日本語版。Windowsしか使ったことがない人にはこれがどういうソフトなのか理解できないだろう。

DOSはもともと16ビットCPU"Intel 8086"用に設計されたOSのため、DOSのシステムがアクセスできるメモリ空間は1MBに限られている。その中でさらに画面表示用のVRAMやBIOS ROMなどが割り当てられるため、IBM PC互換機の場合はソフトウェアは640KBしか使用できないことになっている。当初はそれで困らなかったが、何年も経つと技術の進歩でソフトウェアの機能が充実する分、メモリの消費量も増えてくる。この状況に対処すべく、EMS、XMS、UMB、HMAといったメモリを拡張する技術が登場した。これらのメモリ拡張手段は無制限で使えるわけではなく、プログラムの種類によって使い分ける必要があり、ユーザーも使用するシステム構成とソフトウェアを考慮して適切な設定を施す必要があった。このことは初心者にとって特に敷居の高い話であった。QEMMはこれらの拡張メモリを一括で自動設定・管理してくれるという便利なソフトで、海外のみならず日本においてもIBM PCユーザーの間では定番のソフトとなった。DOS J5.0/VよりDOS標準でこれらのメモリ拡張方式に対応したため、QEMMを導入するメリットは少し薄れた。それでも、QEMMはDOS標準のメモリ管理ドライバ(EMM386)と比べてより多くのメモリを各プログラムに効率よく割り当てることができたため、それなりに人気を得ていた。しかしWindows 95の登場でメモリの1MB制限が完全に取り払われると、QEMMの存在意義が薄れていった。

QEMMの最後のバージョンは9(QEMM97)なので、QEMM 8Jは末期のバージョンだ。バイリンガル(日本語/英語両対応)ではないため、英語環境では設定ツールやWindows用のユーティリティが使えない。一応、英語モードでもCONFIG.SYSを手動で記述してメモリ管理ドライバを組み込むことは可能。

QEMMは専らIBM PCハードに依存したツールなのでPC-98には移植されていないが、同等の機能を持つPC98用メモリ管理ソフトとしてメガソフトのMEMORY-PRO 386というソフトが有名であった。

PC DOS J6.1/VまたはMS-DOS 6.2/Vの標準機能との違い

写真

Image: QEMM 8J Manifest for Windows スクリーンショット Image: QEMM 8J QSETUP スクリーンショット

Image: QEMM 8J MANIFEST スクリーンショット

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