IBM ホームページ・ビルダー V6.5 with HotMedia
初心者向けのWebオーサリングソフト。テンプレートウィザードから簡単な設定だけでWebサイトを作成する機能、ボタンなどのロゴ画像作成、GIFアニメーション作成・編集、iモード用ページの作成、FTP転送ツールと、機能が充実している。マニュアルは操作手順と一緒にスクリーンショットを掲載し、市販書籍並みの丁寧な解説で初心者に易しいものになっている。PDFマニュアルとしても収録されているのでオンラインで参照可能。
「どこでも配置モード」は文字や画像の位置を自由に配置できるモードだが、ブラウザによっては表示が崩れるなどの互換性が犠牲になる。CSS(スタイルシート)には対応しているが、テンプレートで作成されるページはCSSを使わずにHTMLだけで記述されている。HTMLのターゲットバージョンは、Compact HTML 1.0、HTML 2.0、HTML3.2、HTML4.0、iモード、Jスカイ、Mobile Web 1.0のいずれかを選択できる。スタイルを新規に適用するときは全てのHTMLタグに関連付けるか、選択中の部分のみに関連付けるか、スタイルシートのID/クラスで関連付けるかを選択できる。
Web2.0という言葉が出る前でSNSやブログはなく、家庭ユーザーは電話をかけてインターネットに接続していた時代。既にこの頃から、自分のWebサイトを作って公衆に何か情報を発信したいという人は多くいた。他のWebオーサリングソフトはHTMLの理解が必要だったことと素材を自前で用意する必要があったことから、初心者には取っつきづらかった。本製品は既にいくつかの素材が用意されていて、HTMLを知らなくてもテンプレートウィザードに従うだけで見栄えのいいWebサイトを作成できたことから、初心者の間で定番のソフトになった。
当時はホームページ・ビルダーで作ったことが明らかにわかるWebサイトがいっぱいあったが、最近はほとんどの人が情報発信の手段としてブログやTwitterから入るためか、Webページを一から作ったような個人サイトは少なくなってきた。