N88-日本語BASIC(86) フロッピィディスクをフォーマットする

第10章 ユーティリティプログラム 10.3 フロッピィディスクのフォーマット

ディスクをBASICで使用可能な状態にすることを,初期化(フォーマット)といいます.新しいディスクを使うときには必ずフォーマットを行わなければなりませんが,すでにデータの入っているディスクのデータをすべて消し,改めて使用するときにもフォーマットを行います.フロッピィディスクのフォーマットはユーティリティ"format.nip"を使って行います.なお,このユーティリティプログラムではシステム(DISKCODEおよびIPL)をコピーすることにより,ユーザー用のシステムディスクを作ることもできます.

物理フォーマットと論理フォーマット

フォーマットには物理フォーマットと論理フォーマットの2つのレベルがあります.

物理フォーマット

物理フォーマットは「第1レベルのフォーマット」とか「イニシャライズ」と呼ばれるものです.このフォーマットをすると,ディスクの物理的な位置を指定してディスクの読み書きができるようになります. BASICからも, DSKI$, DSKO$を使って入出力ができるようになります.しかし,物理フォーマットだけでは, FAT,ディレクトリ, IDの初期化が行われませんので他のディスク関連の命令を使用することはできません.

論理フォーマット

論理フォーマットは「第2レベルのフォーマット」と呼ばれるものです. FAT,ディレクトリ, IDの初期化を行いますので,ディスクはすべてのディスク関連のBASIC命令で使用可能な状態になります.

物理フォーマットと論理フォーマットは"format.nip"を使って同時に行うことができます.

フォーマットはBASICで新しいディスクを使うときには必ず実行してください.また,フォーマットはBASIC以外のシステム(たとえばMS-DOSなど)でフォーマットされたディスクを改めて使用するときにも必ず行ってください.

一度, BASIC用に物理フォーマットを行ったディスクをフォーマットする場合には,物理フォーマットを繰り返す必要はありません.

参照: FAT,ディレクトリ, ID→「付録C ディスクの内部構造」

"format.nip"の使い方

このユーティリティプログラムでフォーマットを行ったディスクは,データディスクとして使用することができますが,フォーマットに続けてシステムをコピーしシステムディスクとすることもできます.

画面に表示されるメッセージに従って作業を進めてください.

(1) "format.nip"を起動させると次のような画面が表示されます.

新しいディスクをドライブにセットして下さい
フォーマッ卜するドライブは?

システムディスクをドライブ装置から外して,どちらかのドライブにフォーマットするフロッピィディスクをセットし, ドライブ番号を入力してください.すると,

物理フォーマッティングを行いますか(y/n) ?

と表示されますので,物理フォーマットが必要な場合はYを入力し,物理フォーマットの必要がない場合はnを入力してください.ここでnを選択した場合は(2)に進みます.

この後,ディスク装置が1MB/640KB両用タイプの場合にはフロッピィディスクのタイプをきいてきます.

ディスクタイプ(1. 1MB 2. 640KB) ?

フロッピィディスクが1MBタイプの場合は1を入力し. 640KBタイプの場合は2を入力してください.物理フォーマットが行われる間は,次のようなメッセージが表示されています.

ドライブXを物理フォーマット中です

Xは物理フォーマット中のドライブ番号です.

(2) 物理フォーマットが終了すると,システムディスクを作成するかどうかを聞いてきます.

システムディスクを作成しますか(y/n) ?

データディスクとして使用する場合にはnを入力してください.システムディスクを作成する場合にはYを入力してください. yと答えたかnと答えたかにかかわらず,論理フォーマットが行われます.論理フォーマットが行われる間は,次のようなメッセージが表示されています.

処理中です

(3) 論理フォーマットが終了すると,システムディスクを作成しない場合には次のように表示されてプログラムを終了します.

終了しました

(4)システムディスクを作成する場合には次のように表示されます.

システムディスクのドライブ番号は?

システムディスクを,現在フォーマットしているディスクのドライブとは別のドライブに入れ,そのドライブ番号を入力してください.

確認しましたか(y/n) ?

と表示されたら,ディスクが正しくドライブにセットされていることを確認し,まちがいなければYを入力してください.システム(DISK CODEとIPL)のコピーを行います.ディスクのセットがまちがっている場合には,nを入力してやりなおしてください.

システムのコピーが行われている間は次のように表示されます.

システムをコピーしています

(5)次に,システムディスクを起動したときに各種のフロッピィディスク装置のデバイス番号をどのような順番で割り当てるか(ドライブアロケーションタイプ)を設定します.

システムディスクのドライブアロケーションタイプ:X
新しいディスクのドライブアロケーションタイプは?

と表示されるので,システムディスクと同じ場合には,リターンキーだけを押します.システムディスクと異なるドライブアロケーションタイプを新しいディスクにセットしたい場合は,そのタイプに応じて1または2を入力してください.

入力する数値とドライブアロケーションタイプの関係は次のとおりです.

たとえば,1MBのフロッピィディスクドライブ装置を内蔵し, 640KBのフロッピィディスクドライブ装置を外部に取り付けている場合に1を選択すると,640KBのドライブがデバイス番号1,2となり,1MBのドライブがデバイス番号3,4となります.

注意:

PC-9801,PC-980IE/F/Mでは,フロッピィディスクのドライブアロケーションタイプが次のようになります.

  1. 640KB→1MB→160/320KB
  2. 640KB→160/320KB→1MB
  3. 1MB→160/320KB→640KB
  4. 1MB→640KB→160/320KB
  5. 160/320KB→640KB→1MB
  6. 160/320KB→1MB→640KB

(6) ドライブアロケーションタイプの設定が終わると画面には次のように表示されてプログラムが終了します.

終了しました

注意すべきこと

参照: 属性の宣言で書き込み禁止→ 6.6の「ファイル属性の設定」ライトプロテクト→ rBASIC入門』


出典: NECパーソナルコンピュータ PC-9800シリーズ Software Library N88-日本語BASIC(86)(ver6.2) ユーザーズマニュアル、日本電気株式会社、1991年発行


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